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ドジ
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夕食後、僕と檜山の部屋に、戀兎の姿があった。
図書館にマキが出現したからだろうか?
今日は部屋に教えに行く、と、昼間の手紙に書いてあった、その時檜山のも見てくれるって、ちょっとだけ檜山の反応が気になったが、成績が思わしくない彼は喜んでいた。
僕らの勉強を見ながら、質問がない時は、自分の教科書に目を通し、予習する戀兎。その横顔を盗み見ながら、昼間の夏美の言ったことを思いだす。
そういえば、全く考えてなかったけど、戀兎って、彼女いないのだろうか?夏美はファンクラブがあるって言ってたってことは、モテるんだろ。
でも、女の子といるの見たことないな…
『人のもんに…』
…マキなら知ってる?…
「それ、合ってるよ」
耳元で戀兎が話しかけてきた。
驚いてのけぞったら、椅子ごと倒れそうになって慌てて手足をバタつかせかせたら、戀兎が腕を掴んで引き寄せる
ーガチャン
椅子だけが倒れて、夕祐は戀兎の腕の中にいた。
「もー、ゆ…火浦君…」
「ごめんなさい」
夕祐は抱きとめられたまま、頭の上から降ってくるため息に落ち込み、様子を伺うように戀兎を見上げた。
目の前の、眼鏡がずり落ちそうになってる戀兎と、視線があって、もう一度ちどあやまろうと口を開きかけた時、
戀兎が目を見開いた
一瞬にして冷たい物が全身に刺さるような感覚に襲われて、
戀兎の手に力がこもる
次の行動を想像して心臓が潰れそうになり、そうなる前に体を離した
「ごめん!」
それが思ったより勢いがあり、後ずさった所にあった倒れた椅子つまずいてた。
「うわっ!」
傾いた体がピタッと止まった。
硬くつぶった目を開けると、ベットサイドに手をかけて、夕祐の腰を抱き込んで支える戀兎がいた。
うわ!さっきよりも恥ずかしい格好に!?
ギクリとして傾いたままなのに動いた手に
「動かない!!」
戀兎が鋭く叱って、夕祐は硬直した。
「何やってんだよ」
檜山の飽きれた声も飛んできたが、夕祐は先ほどよりも強く感じる戀兎の体温に心の中はパニック寸前。
今は先ぼどの冷たい何かより、熱くてうるさい心臓が今にも爆発しそうだった。
「頭でもぶつけたらどうするの?」
やっと体が離されて、ムッとした声を出した戀兎、その目は真っ直ぐ夕祐を見据え、両手を握られている。
「ご、ごめん」
その瞳に嫌悪感がないのが分かってホっとして、申し訳なさに視線が落ちる。
ーブーブーブー
戀兎の携帯が鳴った。
握ってた手が離されて、携帯を見た戀兎が眉を寄せる。
「火浦君、檜山君、ごめん、呼び出されたから、行くね」
「あっ」
「ありがとうございました」
「檜山君がいいならまた明日も来ていいかな?」
「大歓迎ですよ、俺今成績イマチで」
「そうか、じゃ、また明日。火浦君は後でね」
「あ、うん…いや、はい!」
ニコリと微笑んだ戀兎が部屋を後にして、夕祐ははっきりしない頭でいると、檜山が頭をグシャグシャしてきて、ベットに突き飛ばされた。
倒れこんだベットが軋み、揺れる視界に、夕祐の考えも揺れる。
檜山は何も言わず机に向かい先程の続きを始め、シャーペンがはしる音が微かに聞こえる。
僕、馬鹿だな。
戀兎に握られた手が熱い…
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