アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
メール
-
テスト3日目、水曜日。
今日も無事2教科終え、お昼、賑やかな屋上にいます。
「なぁーなぁー、なんでこっちこないんだよぉー」
不満そうな声を出す夜風。夕祐は口を尖らせて応戦する。
「夜風君が、イタズラばかりするからでしょ!」
屋上には左から、檜山と春日、岩龍と夕祐と隣同士で、夜風が1人あぶれていた。
普段は仲良く隣同士の春日は、今日は檜山の隣、そして岩龍に向けて、卵焼きを箸で挟んで口元に持っていき、微笑む。
「岩龍君、うちのお弁当は、卵焼きが美味しいんですよ、はい、どうぞ」
「あ、あ、ありがとうございます…」
「はい、あーんして」
差し出された玉子焼きを前に、真っ赤になってオロオロしている、岩龍がこうなるのを分かってて、極上の笑顔を向けて、卵焼きを差し出した手を下げようとしない。
どっちのイタズラの方がマシだろう…夕祐は肩を上げて首を傾げた。
「どうぞ、口開けて」
「あ、は、はい」
パクン
目をつぶり思いきって卵焼きを頬張った。
モグモグ…
「お口に合いますか?」
「……美味しい…あったかい味がしますね」
「…」
微笑んだ岩龍、目は隠れているが、柔らかく微笑んだ口元が、可愛らしい。
春日もまた微笑んだ。
「僕はこの煮っころがし好きだなぁ」
夕祐が弁当の中の里芋を指差すと、夕祐の前に里芋が差し出され、夜風がニコニコしていた。
「夕祐さん、あーん」
極上の笑顔で即されて、夕祐も口を開ける
「あー」
♪ポン・you got mail♪
「あ!メールだ!」
夕祐は素早くポケットから携帯を取り出す。
食べてもらえなかった里芋は、不満そうに曲げられた夜風の口の中へ収まった。
あ!戀兎からだ!なんだろう
《急用ができ、今日、明日と勉強を見てあげられません、すいません。今後テスト関係なく、また見てあげるから、許してくださいね、檜山君も遠慮せず声かけて下さい、と伝えて。今日の点呼は事務所に直接行き、葛西先輩に話を聞いてください。よろしくお願いします》
え…?
業務的で完結。それはいつもどうりだが。
これって、今日は顔見れないってこと?用事ってテスト期間中に?そういえば、昨日も呼び出されてた…
生徒会…?
「ゆ、夕祐さん?」
いつまでも携帯を眺めてる夕祐に、岩龍が首を傾げた。
「あ、うん、戀兎からだったんだ」
何でもないと笑った夕祐、その後ろから覆いかぶさって首に巻きつく夜風が不思議そうに尋ねる。
「それで?何で元気無くなっちゃうの?いつもは、ニッコニコしてるのにさぁ」
「あっ、今日忙しいって。昨日くしゃみしてたから大丈夫かなって」
「ふーん」
とっさに、昨日のことを思い出す。
横から檜山の飽きれ声が聞こえてきた。
「なんともなかったろ?熱もなさそうだったし」
「うん、でも気になってさぁ」
「夕祐さんの感は結構バカにできませんよ、ひな兄さん」
「春日、お前そんなオカルトな発言するやつだったか?」
「オカルトではないです。経験に基づく発言です」
ピシャリと言われて肩を竦める檜山。
勉強会の事を伝えたら、何故か双子が肩を落とし「今回もダメそうだね」と声を揃えて、檜山を凹ませた。
ご飯の後、二人で自力で予習をすませ。
夕ご飯の食堂で戀兎を探して見たが、タイミングが合わなかったみたいで見かけなかった。
点呼の時間。
戀兎に言われた通り、事務所に向かうと、葛西先輩が待っていた。
「こんばんは」
「おう、悪りーな。今日は1人で回ってくれ、コレ、お前の担当分だから」
「はい」
やはり、今日は戀兎に会えないようだ。夕祐はそう思いながら、渡された名簿を見た、それは中山の分、戀兎の分は無いので、戀兎も点呼には行ってる様子。
僕の部屋は戀兎担当だから
部屋に帰ったら檜山君に聞いてみよう
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
38 / 72