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異世界の話
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ズーーン
部屋に帰った夕祐は、ベットに身を投げて沈んでいた。
「どうした?」
呆れ顔の檜山が、仕方ないなぁと言った風に声をかけてくれる。
檜山君の優しさがしみるよ
「大丈夫…こちらの世界の話だから」
「お前はいつから異世界の人間になったんだ」
「えっと、3年1ヶ月前です」
指を折って数えてみたら、その手を檜山がギュッと握り込んだ。
しかめっ面がため息を吐く。
「数えるな数えるな、お前と俺の住む世界は同じだ」
「ひのやまきゅん」
「グッ」
握られた手を両手で握り返し、潤んだ瞳で見つめると、檜山から息を詰める音が漏れる。
「もう、知ってるんだから話してみろよ」
「そっか…」
自分の戀兎への思いを打ち明けてはいたが、ホモの恋愛事情を相談していいとは思わず、夕祐は瞬きした。
それでも何て言っていいか考えていると、檜山が手を握ったまま、夕祐のベットに腰掛ける。
「のぼせたお前運ぶの、俺なんだぞ」
「…ごめん」
シュンとした夕祐、檜山が頭を撫でてやる。
「今、戀兎の部屋に寄ってきた」
「うん」
「そしたら、中から…マキ先輩が出てきた」
うつむいたまま、絞り出すようにそう呟く。
「そうだろうな」
「え!?」
何故か肯定した檜山に驚いて、飛び起きた。
「な、な、な、なんで!?」
慌てる夕祐に対し、檜山はひどく冷静だ。迫り来る夕祐を片手で制して視線を泳がせる。
「なんでって…何度も泊まってるし」
やっぱり、戀兎とマキはそういう仲なんだ!!こ、こ、こ、恋人!?
「違う違う!今やばい事考えてるだろう!先に言っとくけど、そういうんじゃないぞ!…まぁ…そのぉー」
否定はしてくれたが、後半口ごもったのに嫌な予感がする。
「マキさんノンケキラーだからなぁ…」
あうち!
つまり食われてるかもしれないと?!…そういえば!夏美が!マキ先輩は戀兎を、気に入ってるっていってた!!
激しい動揺を隠せない夕祐の様子に頭を抱える檜山
「だから…やばい事を考えるなって、マキさんは有馬先輩とどうこうなってないと思うぞ?」
「どうしてそう思うの?」
「マキさん、会長の監視下だから」
「会長って…生徒会長?」
「そうそう、すっげー怖いぞ」
「え?…生徒会長?そんな風に見えなかったけどなぁ」
1度会って、一言交わしただけだったけど、キリッとしてるのに物腰の柔らかい、出来る上司風の人だった気がする。
「まぁ、マキさんの事で悩むな、特殊で奇怪な人だ、考えるだけ無駄だぞ、…まぁイタズラはするかもだけど、お前も気をつけろ…」
話を聞いてもらえて嬉しかったが、なんだが謎が増えた。
「まっ、有馬先輩は男女問わずモテるけど」
「やっぱり〜」
「とりあえず明日のテスト終えてから悩めよ、先輩に教わったことだいなしになるぞ」
それもそうだ。
戀兎にこれ以上子供扱いされるのはマズイ。
嫉妬なんておこがましい感情、今はゴミ箱にポイしよう
…やっぱり、明日はテスト終わったら本屋に行ってアノ本買おうかな…?
モテるようなかっこいい人になるんだ!
…?
それって戀兎に好きになってもらえるのかな?男が嫌いな戀兎の前でかっこ良く男臭くなったら…
逆効果?
はは
僕はどうすればいいんだろう…
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