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目覚めたら
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土曜日
今日は学校がないので、午前中に戀兎の様子を見に行った。
戀兎の部屋には誰もおらず、戀兎も眠っていたので、しばらく寝顔を眺めて、差し入れのジュースを枕元に置いて昼食に向かうことにした。
今日は檜山君達兄弟は揃ってお出かけ、お兄さんの所に行くって言ってた。
そういえば…檜山兄弟は7人兄弟で長男長女は卒業してるけど後の2人を見ないなぁ…お昼のお弁当にも来てないし、あんなに仲良いのになんなで別なんだろう?いくつの子なのかな?初等部だとしてもたいして校舎離れてないんだけど…まさか幼稚園児ってことはない…か、全員この学園って前に言ってたし。
今日帰ってきたら聞いてみようかな?
そんなことを考えながら、定食を完食して、満腹のお腹をさすりながら部屋へと戻る。
部屋の中に入ると決まりごとのようにベットへダイブしてまどろみ、ウトウトと眠りの世界へ沈み込んだ。
…
『…そんな顔…させたかったんじゃないんだ…』
戀兎が夕祐を押し倒し、抱きしめる
『そんな顔しないで』
ごめん、ごめんね戀兎
まだ聞いてないことがあって…
それにすがってここまできた
諦められない
戀兎が僕を好いてくれてる可能性を感じるうちは
あの日の真意を知るまでは…
知った所で諦められるとは思えないけど
もう少し向き合えるようになったら聞きたい…
だから…目をそらさないで
誤魔化さないで…
そしたら貴方を好きだなんて顔をしたりしない…先輩後輩を守る
こんな顔
貴方に向けないようにする
『ゆうちゃんは何も分かってない』
何を?
ふわりと柔らかな熱が頬をかすめる…
夢…なのに温かい…
優しく繰り返しなでられて、わずかに頬を寄せる
気持ちいい…
温もりと一緒に甘い香りに包まれて、なんだか体が熱くなる
甘い…香り…
この香り…どこかで
温かい夢から意識が浮上して、重い瞼をわずかに上げ、ぼやけた視界を横切り、また頬を撫でられ、その気持ち良さにまた瞼を閉じかけた
「ふふ」
思わず漏れたといった笑が耳元でして、一瞬にして覚醒した
「え!!」
目を見開くと、夕祐の目の前にマキがいた。
「お♪は♪よ♪」
ベットに横たわった夕祐に寄り添うようにしてぴったりくっつき、右手で頬杖を着いて頭を上げ、わずかに夕祐を見下ろす瞳は怪しく目尻を下げ、左手は夕祐の右頬を撫でていた。
「…っ」
あまりの事態に声も出せず固まって、されるまま頬を撫でられ、マキの甘い香水がまとわりつく。
「ふふ、逃げないの?」
ペロリと舌をだして上唇を舐め、妖艶に微笑むマキが、頬を撫でていた手を滑らせて、顎に添える
そのあまりに艶かしい仕草に、ついつい唇に目がいってしまう。
昨日感じたはずの嫌悪が…小さいことに気づいて、夕祐は眉をよせる
昨日と同じぐらいの至近距離
夕祐はジッとマキの瞳を見つめ、じっとしている
そんな風に見つめあって、最初に戸惑いを見せたのはマキだった、全く逃げようとしない夕祐に、上がっていた口角が下がる。
「マキ先輩何がしたいんですか?」
「んー、キスぅ?」
ヘラっと笑ってみたが、夕祐のまっすぐな瞳がそらされることはない。
「キスしちゃうよ?」
「嫌です」
「じゃ、なんで逃げないの?」
「なんでだと思います?」
マキはその返答にキョトンとした。
全く予想しない返答だったのだろう。
本当に襲われたら、自分の方が明らかに力がないから、いっかんの終わりだろうが、マキは僕をからかってるんだ、怯えて逃げれば思う壺だろう。
「うーん、僕とセックスしたくなったから?」
「全然違います」
「ふふ、逃げなければ僕が辞めると思った?」
「はい」
「…」
マキの反応は不思議なものを見るようだった。
「マキ先輩、手を離してください」
「えー、チュウしないの?」
「しません」
「チュウは初めてじゃないの?」
「初めてじゃありません」
「…そんな感じだよねぇー」
冷静な返しに、面白くないと言った感じで、やっと顎から手を離した。
「それってさぁー、戀兎?」
「どう思います?」
「うへー、僕が襲う気ないって分かって、可愛くない反応」
こちらの考えが分かったマキがつまらないといって舌を出して睨んできた。
「A棟は、部屋の壁薄いんだよねぇー」
残念そうに体を起こしたマキに、夕祐ホッと胸を撫で下ろす。
A棟はってことは、B棟は多少音漏れしないってこと?
ちょっとだけ嫌な予感がして苦笑いする。
「ねぇ、ゆうちゃん」
ベットから立ち上がったマキがニンマリ笑ってコッチを見た
「生徒会のお手伝いしない?」
「は?」
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