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香水のないマキ
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この前の仕返しのつもりではないけど、キッパリ注意すると
前を開けただらしないジャージ姿ので、シャワーを浴びたばかりだろう濡れた髪をタオルで拭きながら、珍しくゲンナリした様子のマキがため息をついた
「僕は今からお勤め」
「おつとめ?」
「そう、呼び出しのお勤めだから違反じゃないの」
「あ、そうなんですか?」
「…信じるんだ」
「嘘なんですか?」
「いや、本当だけど…」
「そうですか、頑張ってください」
横を通ろうとしたら、腕を掴まれて、壁に押し付けられる
「一緒にヤる?」
「け、結構です」
「ゆうちゃん混ざってくれたら少しは楽なんだけどなぁー」
「夜中に何の仕事ですか、1人で頑張ってください」
「冷たいなぁー…」
マキは気だるい雰囲気で夕祐から離れて、タオルを首に巻く
「今日…」
「んー?」
「今日の昼間…」
「…」
岩龍の言ったことを聞き出そうとしたが、マキが素直に話すとは思えず、続けるのをやめた…
マキも今ので気付いた様子でにっこり夕祐を、ながめている。
「離してください」
「剛が襲われたとでも言った?」
「おそ…襲ったんですか?」
「僕じゃないよー」
「そうですか…離して下さい」
「信じるんだ」
「信じますよ」
「…ゆうちゃんおもしろ〜い」
急に女の子みたいにぶりっ子しだして首を傾げる
「可愛くないですよ」
冷静に返して手を払う。
風呂の後だからだろうか、マキから香水の匂いがしない
だからだろうか…妙に冷静でいられる。
「あ!今日戀兎は一緒じゃないの?まーだ寝込んでるのか?あのヘタレは」
「……」
思い出したかのように言ったマキが、口調の割りに、物凄く優しい目の色をさせたのでついついジッと見ていたら
マキは眉を寄せて不快そうにした
「その目…やめて」
「え?」
あっ、じっと見たから嫌だったのかな?……自分はいつも舐めるように人を見てからかう癖に
「すいません。熱は下がって夕食ちゃんと食べてましたよ」
戀兎のこと心配してたんだな…、そうだよね、2日も泊まって看病してたんだもんな
夕祐がにこやかに答えると、マキがまた眉を寄せた
「…、まっいいや、僕行くから」
なんだか疲れた顔をしたマキ
始めてヘラヘラせずに夕祐の前から去って行く
??
夕祐の脳裏にハテナが飛んだ
ーザザァー
急に外で雨音が激しく聞こえてきて、窓に雨水があたり静まり返っていた廊下が騒がしくなる
夕祐はマキの背中を見つめていたが、自分の部屋に足を向けた。
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