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生徒会2
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「初めまして、火浦夕祐です」
丁寧にお辞儀すると、城崎要は興味深そうに夕祐の顔を覗き込んだ。
「戀兎と同じ小学校だったんだって?戀兎昔はどんな人だった?」
「ちょ!!城崎!!」
「有馬先輩は、頭良くて、かっこ良くて、優しいです、本もよく読んでくれました」
夕祐の回答に、戀兎恥ずかしそうに顔を両手で覆う
「どんな本?」
「最後に読んでもらったのはアクタガワさんの羅生…」
「うは!小学生にそんなの読み聞かせたの?流石戀兎」
城崎要と水森が噴き出し、戀兎は耳まで真っ赤なになってる
あれ?そんなに、おかしなことだったのかな?
「有馬先輩、読み聞かせ上手だし、ちゃんと説明してくれるんですよ、声がイイからとっても聞きやすいし…」
「ひ、火浦君!もういいから!水森!資料貸して!」
水森から資料をひったくってさっさとパソコンの前へ座り、眼鏡を直してから、カタカタと打ち込みを開始した戀兎
笑っていた城崎も、夕祐が持ってるファイルを受け取りパソコンの前に座った。
「何があったんですか?」
「1年生君が、明日提出のデータの入ったUSBをふんずけて壊しちゃったんですよ」
呆れたように言った水森がソファーで縮こまる1年生を流し目で睨む。
小さい体をさらに小さくした1年生は青ざめていた。
「1ヶ月かかって彼らが入力したデータだったんですが、打ち直しは1年生がやったんじゃ提出日までに間に合いませんから、私たちがこれから明日までにやるんです」
え!!!
1ヶ月かかったものを2日で!?
「ああ、心配いりません、練習程度にのんびりやらせてたものだから、私たちなら直ぐ終わります」
たしかにパソコンに向かってる戀兎と城崎は打ち込みの手を休めることなく、時々言葉を交わしている。
うわ、
僕の前だと優しく微笑む頼りになるお兄さん的な戀兎、でも同級生といる彼は表情がよく変わり、からかわれて子供ぽい顔したりする…そんな顔も好きだ、でも今目の前にいる戀兎はめちゃくちゃかっこいい!!
夕祐が見惚れていると、水森は1年生と話をして、別の作業を指示して。戻った水森が夕祐を見ると、まだパソコンの方を向いているのを見てフッと笑った
「火浦君」
「…はい!」
「戀兎の手伝い頼んでいい?」
「はい!」
そう言って水森は城崎の隣についた。
僕なんかでお手伝いになるかな?
戀兎にゆっくり近づく
「手伝えることありますか?」
話しかけると、パソコンから顔を上げた戀兎が優しく微笑んだ
「ありがとう、じゃあ、最後のページの一覧の計算お願いしていい?、そこに電卓あるから」
「はい」
机の上にある電卓の前に、隣の席の椅子を持ってきてポンポンと椅子を叩いた戀兎。一つの机に二つの椅子、近すぎる距離にドキッとした。
いけない、いけない、これはお手伝いだから。
ドキドキしながら隣に座ってみる。
戀兎は作業に戻ってキーボードをカタカタしだした。
パソコンを見つめる真剣な戀兎の横顔、キーボードを叩く長い指、ついつい目がいってしまう。
夕祐は慌てて首を振って、渡された表を眺める。
一つ一つ丁寧に入力して計算。
ここで間違ったら恥ずかしい。
「火浦君、夕飯一緒に食べようか、お礼にプリン買ってあげるね」
「うん」
やった!久々に一緒だ!!
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