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本日のオススメ
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生徒会を後にした戀兎と一緒に食堂へ向かい、本日のメニューを眺めいた。
しばらくメニューを見ていたが、檜山が来る様子がない。
メールを確認したが、40分ほど前のメールの返事で《了解》とだけ、その他着信もない。食堂に着いて10分ほどしかたっていないが、檜山に待たされる記憶はあまりないので不思議に思った夕祐。
どうしたのかな?電話しようかな?
迷っていると、食堂の入り口で人混みに紛れて、キョロキョロしている岩龍が見えた。
「あれ?岩龍君だ」
「え?」
夕祐が呟くと、戀兎も食堂の入り口に目をやり、岩龍に気付いた。
「誰か探してるのかな?僕ちょっと聞いてくるね」
「あ、」
戀兎が呼び止めようとしたが、夕祐は岩龍の側まで駆け寄っていくと、岩龍も夕祐に気がついて寄ってきた
「よ、良かった、見つかって」
「岩龍君、僕探してたの?電話してくれればよかったのに」
「あ、そ、そ、そうですね!忘れてました、恥ずかしい」
「1人なの?」
「あ、違います、春日さん達といたんですけど、あ、檜山さんが伝言で、手が離せなくなったから、先に食べててって言ってました」
「メールくれればすんだのに」
「あ、あの、物理的に手が離せないんです」
岩龍の答えに夕祐が首を捻る
「物理的に?何かあったの?」
「いえ、大丈夫です、たいした…」
岩龍が言いかけると、夕祐の後ろから戀兎が姿を見せ、その姿を見た岩龍が固まって顔を真っ赤にした
「あ、あ、有馬先輩!」
「どうかしたの?」
戀兎が優しく問うと、真っ赤になった岩龍は戀兎と夕祐を交互に見て、さらに顔を赤くして一歩後ずさってうつむいた。
しまった!!岩龍君、同人誌のタイトルみたんだ!!
顔に出過ぎだよ!!!
口をパクパクしながら、あらぬ想像をよぎらせてるであろう岩龍の肩を強引に寄せて抱き寄せる
「ひゃ!?」
「あれー?岩龍君顔真っ赤だねー、風邪でも引いてるのかなぁ?!」
「あ、あ、はい!」
「保健室連れってあげようか?」
肩を引き寄せて抱き込まれた岩龍は、夕祐の意図をくみ取って調子を合わせてくれている。夕祐は耳元で小さく『顔に出過ぎ』と釘を刺すと、岩龍も小声で『すいません』って言ってきた。
ふたりの肩を組む姿を戀兎は静かに眺めている
「…」
岩龍は夕祐を引き剥がし、グイッと遠ざけた
「う、うつるといけませんから、1人で平気です!っと言う訳で檜山さんの伝言は伝えましたから、し、失礼します!!」
言うだけ言ってわたわたと走って行ってしまう。
危ない!岩龍君危なすぎ!!
タイトルしか見てないじゃん!シャイ過ぎだよ!
春日と夜風は中身まで見て、平気な顔して感想とか言い出しちゃってたのに…
あの二人はニタニタしそうだな…うん、後で口止めしておこう。
夕祐はひたいにかいた汗を拭い息をついた。それから平静を装ってにこやかに戀兎に話かける。
「なんか檜山君来れないって」
振り返ってメニュー表に向かう
「…そう」
戀兎が返事をするのを待たずに
夕祐はメニュー表の今日のオススメを指差して
「今日はこれにしようと思います」
と、戀兎に宣言したメニューは、サンマの蒲焼丼と味噌汁のセット
戀兎は微笑んで
「僕もそれにするよ」
と、二人分の食券を購入した。
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