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マキ4
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シャワールームの仕切りの壁に左手を添え、ビッショリの濡れた髪から雫を垂らしながら顔を半分覗かせてジトッとこっちを睨むマキ
「ご、ご、ごごごめんなさい!」
シャワールームの入り口の壁に隠れてマキを見ないように平謝りする夕祐
「ちょっとさぁー、バスタオル取ってくんない?」
マキに低い声で言われて、夕祐は顔を手で隠し、シャワーの個室に背を向けて壁にへばりつきながら進み、脱衣所のカゴからバスタオルを取って、シャワールームにいるマキに差し出す。視線は床に落としてマキの裸を見ないようにした。
落とした視線に、色白の足が見えて、手の中のタオルがなくなる。
ぼ、僕、なんでこんなドキドキしてるんだろう…
シャワーの熱いお湯で脱衣所にも白い湯気が充満して、シャンプーのいい香りと、何故か甘い香りが漂う。
「ゆうちゃん耳真っ赤、ああ、あてられちゃった?」
何に?
「す、すいません、上からマキ先輩見えて、フラフラしてたからどこか具合でも悪いのかと…」
下を向いたまま言い訳してると、ゴシゴシと布の擦れる音が聞こえて、マキがからだを拭いているのがわかる。
「ふーん」
床に落とした視線の中にあるマキの足が、夕祐に近づいたのが見えて下を見たまま後ずさる。
「顔上げたら?」
「あ、あ、あの、具合は」
「んー、悪いようないいような」
夕祐は視線を下げたまま後ずさると、壁にぶつかった。
「怯えられると襲ってくださいって言われてるみたいで萌えるなぁー」
マキがドンと壁に手をついて夕祐の退路を塞ぐ。
バスタオルにくるまれた胸板が目の前に迫って思わず顔を挙げた。
そこにはジャンプーの匂いをさせて妖艶に笑うマキ。
その首にはキスマークがいたるところについていた。
夕祐は衝撃に思考が止まり固まった。
「あは♪、お子様には刺激が強かった?コレ、虫刺されじゃないからね」
「見れば、分かります」
しっとり濡れた髪は肩より長くて、色白の肌、微笑むマキ、綺麗で女の人みたいに見える。
「キスマーク、つけたことあるの?」
「ありません」
「つけられたことは?」
「ありません」
「キスは?」
「…」
答えない夕祐にマキは目を丸くする。
「あれ?したことあるの?誰と誰と?いつ頃?」
鼻先まで迫ったマキが興奮気味に聞いてきたが、夕祐は顔を背けた。
「秘密です」
「お、生意気、でもしたことは認めるのね、…ふーん」
面白くなさそうに眉をしかめ、悪巧みするように視線を夕祐の首元に狙いを定める。
「こうしちゃる♪」
そう言ったマキが肩と首の間に吸い付いてきた
「痛!!何するんですか!!」
キツく吸われて痛みが走り、マキを引き剥がそうとしたが、マキの方が力が強くて離れず、抵抗していると、抗うように掴んだマキの手首が血で滲んでいるのが目に入る
「マキさん!!血が出てる!!」
夕祐の色気のない声に、マキはうんざりと顔をあげる。
「出てない出てない、擦れて赤くなってるだけ…ってか、ゆうちゃん状況を考えて、今はそれどころじゃ…」
「うわ!!反対の手も!!…い、痛くないんですか?あ、消毒!事務室に消毒が…」
まったくマキの話を聞いてない夕祐にげんなりしたマキ
大変だ!!よく見たら先輩キスマークに混じって擦り傷がいっぱいある!!こんなにあったらガーゼじゃ数多いいし…絆創膏じゃ小さいし、あ!戀兎が何か取りに行ってるのかも!!
「萎えた」
「え?な…」
危うく口にしそうになった言葉が卑猥だと気付いて口を塞ぐ
「似たもの同士…こっちの方がたちが悪そう」
さっきっからマキはブツブツと独り言を言っている。
夕祐は首を傾げると、マキはまた大きくため息をついた。
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