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真夜中に何やってんだよ-1
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自室に戻った俺は、睡魔が襲って来る気配を感じられず、机に座るとパソコンを立ち上げた。最近ハマっている携帯小説を読むためである。
俺と兄のような男同士の恋愛も成立する事を知り、今ではボーイズラブという分野を好んで読むようになった。
近親相姦が地雷の読者がいるので、感想欄を覗いてコメントも熟読したりしている。
それにしても、兄と俺のあの行為に愛など存在していたのだろうか?
兄は俺に貫かれながら、嬉しそうに好きだの愛しているだのと睦みごとを繰り返していた。
しかし一度も同じような言葉を返したことがなく、甘い言葉さえ口にしたことがない俺にとって、兄という存在が果たして恋愛対象だったのかも分からなくなってしまったのだ。
俺を頼ってくれる兄は、素直なところが好ましかったし、大切にしたいと思っていたのは間違いないのだが……。
考えても答えが出ないものは、今までの経験上分かりきっているので、本格的に兄の安否を知るために、そして俺の兄に対する感情がどんなものなのかをハッキリさせるためにも、真剣に話し合わなければならないと思った。
一年生による親睦会から帰ったら、今度こそ覚悟を決めて、海外の兄へ連絡しようと思う。まずは謝りたいしな。
兄は俺に好きだ、愛してると頻繁に言っていたが、実はそれすら疑わしいと思い始めている。本当に好きで離したくないのなら、あんなにあっさり俺を置いて海外へ行ってしまうだろうか。
俺だったらごねて暴れて足掻きまくると思うんだよな。それなのに、伯父に見つかりきつく怒られた兄は、どこかホッとしているように見受けられたのだ。
本人に確かめれば済むことなのに、連絡を取るのを先延ばしにし、勝手に想像しては悩んでいる俺が情けなくなって来た。考えれば考えるほど疑問点が増えていく一方だ。
そして気になることはまだまだある。百瀬夏彦の存在だ。やつまで兄のように、俺にしか本来の姿を見せることができないからと、やたらと絡んで来た上に堂々と恋人にしてくれと、告白までして来た。
はじめの頃は鬱陶しいだけだったのだが、最近では、百瀬がほかのやつと楽しそうにしていると、不愉快になる俺がいる。
もう薄々気が付いていたことだが、これは紛れもなく嫉妬だと思う。
兄が弱い姿を俺にしか見せられないと言っていたのは事実だが、俺と性交渉をする前に既に男を経験していた。
だから口淫の技術はかなり素晴らしいものであったし、後孔の解し方にも慣れていて、ほとんど自分で準備してから俺のところへ抱かれに来ていた。
兄には俺以外に身体を繋げた男がいた。そのことに関して俺は何とも思わなかったのだ。ああ、慣れてるのはそのせいか、ぐらいにしか思っていなかった。
それなのに、百瀬の口淫が上手かっただけで……その快感を味わったやつが他にもいるかも知れないと思っただけで、苛立って胸が苦しくなったのだ。
他人に興味がなかった俺が、百瀬のことをもっと知りたいと思い始めている。
この感情はいったい何なんだろうか。
考え込んでいると頭痛がして来たので、小説を読む前に薬でも飲もうかと思い、時計を見ると午前2時を回っていて驚いた。
なかなか眠れないのは俺にとっては当たり前の事だが、こんなに長く誰かのことを考えて、夜更かしするなんて今までには無かったからだ。
少し猫背気味な背中を伸ばすため、両手を頭の上で組んでストレッチをしてみると、バキボキバキッと嫌な音を立ててしまい、自分で気持ちが悪くなった。
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