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俺の不安と嫉妬心-2
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夕食は80人ずつ5部屋に分けられて取ることになっていて、なんの因果か俺の目の前には百瀬が座っていた。俺の隣には速水圭介……つまり百瀬の従兄弟が座っている。
ただでさえ食が細くなっている俺は、喉が詰まってほとんど食べられなかった。夕食の間中、速水は百瀬に話しかけているし、百瀬は上の空で、たまに俺の事をぼーっと見てくるので、いたたまれなかった。
俺に「触るな」と言われてショックを受けてるかと心配していたのだが、この様子だと概ね自分にもスパンキングしてくれないかな、なんて事を考えているのだろう。
速水はぼんやりしている百瀬の事を、気にするでもなく話していたが、急に俺にカレーの話を振って来たので、白米を喉に詰めるところだった。
それから俺が斬新な切り方をしたおかげで、急遽ペースト状のカレーになったが、これが思いのほか美味くて、大好評だったと持ち上げて来るので、背中がムズムズする。
そこへ朝丘も話に入ってくると、ぼんやりしていた百瀬が途端にキリリと顔を引き締め、朝丘を睨みながら辛辣な言葉まで言い出した。
朝丘が憧れの百瀬に何故か厳しくされているこの現状に戸惑っていると、神崎が「行き過ぎた嫉妬は醜いぞ」と百瀬の横っ腹にパンチの真似をしながら言うもんだから、ますます朝丘は困惑していた。お気の毒に。
まあ、あれだな。俺が朝丘と肩を寄せあって(?)仲良く登山している姿をわざと見せつけたものだから、百瀬が朝丘に対して勝手にライバル視をしているだけだろう。
ーーなんだよ。自分は他の男と抱き合ってたくせに。
ムカついた俺は、気分が悪いからと先に部屋に戻る事にした。
百瀬が風紀委員として部屋まで送ろう、とあくまでも風紀委員を強調しながら申し出て来たが、こんな所で襲われる事なんて無いし、俺なら倍返しするから大丈夫だと言って辞退させてもらった。
倍返しと聞いて昼間の森の中での光景を思い出したのか、俺の顔を見ながら徐々に百瀬の息が荒くなって来たので、やつの名誉のためにもさっさとその場を離れる事にした。
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