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俺の周りの変化-2
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一年生による親睦会から帰って来て、俺の周りも少し変化を見せ始めた。飯盒炊爨で同じ班になったやつらが、普通に話しかけて来るようになったのだ。
今まで殻に閉じこもっていた俺も、兄と話をして気分が楽になってからは、それなりに会話を成立させている。
幸せになる為には、まず健康からだと百瀬が張り切るので、前より食べる量は格段に増え、睡眠時間も大分長くはなっている。
しかし数年間の不摂生はそう簡単に俺を許しはしなかった。
未だに目の下のクマは取れないし、胃が小さくなっていて、まだまだ一般男子高校生並の食欲は湧いて来ない。
そんな俺を百瀬はゆっくり行こうぜと励まして、焦らせないようにと気遣ってくれる。俺ものんびり普通の生活に戻れば良いなと思えるようになった。
朝丘が神崎と付き合い出したという話は、瞬く間に学園中に広まったが、本来二人とも憧れを抱かせる立場なので、大きなやっかみもなく平和に暮らせているようだ。
朝丘はまだ照れが残っているのか多くは語らないのだが、神崎は百瀬と俺には包み隠さず話して来るので、二人の仲の良さを嫌でも知ることになった。
この二人には、俺と百瀬が同室で恋人になったことを話している。朝丘は眼球が飛び出しそうなほど目を見開いて驚いていたが、百瀬の好みが佐藤なら俺が叶うわけないよなと呟いて、物騒なオーラを出した神崎に、どういうことかと静かに問い詰められていた。
朝丘は男として百瀬に憧れていただけだ、と慌てて言い訳をしていたが、もしかしたら本気で百瀬に惹かれつつあったのかもしれない。あぶないあぶない。
焦った俺は牽制のつもりで、百瀬が変態で馬鹿だし色々残念で気持ちが悪いやつだと打ち明けたのだが、信じてもらえなかった。
それを見ていた百瀬が俺に飛び付いて来て「佐藤にぼろくそに言われると興奮する」と鼻息を荒らげてハァハァしだし、その姿を見てやっと信じてくれた。
とりあえず神崎にはしっかりと朝丘の気持ちを掴んでいてくれよと頼んでいる。
朝丘もたまに周りを不安にさせるような発言はするが、実は神崎にべた惚れであることは誰の目から見ても分かる。二人きりになるとあの神崎が王子様の顔でデレるらしい。すげえな。
朝丘の話す内容から神崎が受けだと知った時は、俺もかなり驚いて信じられないと大騒ぎをしたのだが、やかましいわと殴られそうになった。
ところで俺を大男こと後藤に襲わせようとした二年の先輩は、証拠不十分でお咎め無しだ。その報告を聞いて、いつもは冷静沈着な百瀬が切れたらしい。
一時は風紀委員を辞めるとまで言い出したが、こんな時こそ君の力が必要だと丸め込まれて、現在も風紀副委員長として日々目を光らせている。
大男に主様と呼ばれていた男は、朝丘の相手が神崎だと知った途端、お気に入りを替えたそうだ。そんなに簡単に諦められるなら俺ごときで怒るなよな。まじむかつく。
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