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そして交わる-2
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「佐藤って、どこまでも男前だよな。……でも無理にしなくても……」
「待てい。皆まで言うな。ヤるっつったらヤるんだよ。今日は最後まで行くぞ」
まるっきり色気のない言葉に色気のないあばらの浮いた俺の身体。こんなのに欲情する百瀬はとことん変わり者だと思う。
急にスイッチの入った百瀬の瞳に捕食者の熱がこもると、自分も綺麗な動作で服を脱ぎ始めた。
全裸になると俺の腰に巻いていたバスタオルを外してベッドシーツの上に乗せ、そっと優しく俺を寝かせた。
俺の上に覆いかぶさってきた百瀬は、しばらく俺を見つめ続けている。さっさと始めろよな。俺はいざとなるとヘタレる目の前の男をイライラしながら見上げていた。
「うっ……やばい、さとう、その冷たい目が、目がヤバすぎる」
「はあ!?お前ヘタレてんのかと思ったら、わざと俺がこの目になるまで待ってたのかよ」
くそっ、熱い息を吐きながら切ない顔してんじゃねえぞ。何やら落ち着きがなくなっている百瀬を訝しげに見ていると、目を瞑って身体を震わせてる。
「おい、百瀬!既に射精こらえてんじゃねえよ。っとに我慢のきかねえチンコだな」
なんだか腹が立って来て、百瀬の陰茎を強めに掴んでみると、フル勃起でカチカチになっていた。俺はいつもの癖でスコスコとシゴいてしまい、どんどん手の動きを速めていった。
「ぁあああ、まってくれ、さとう無理だ。で、でる!でる!でる!……くぅ」
だからうるせえって。
俺が導いたにしても、呆気なく射精した百瀬に怒りを超えて同情してしまった。
「お前さあ……そこまで早漏でよく今までやってこれたよな」
ぐったりと俺の上に倒れ込んでぜえぜえと呼吸を乱している百瀬の背中をべしべし叩いたが、なかなか動かない。
それにしても重いんだが……。
「はぁはぁ。さとう……すまない、本来ならこんなに早くはないんだ。むしろ、なかなかイけなくて……自分は魅力がないんだと、泣かせたこともあって……はぁはぁ」
「っざけんな、そこまで詳しく聞いてねえよ!なんかムカつく。あと重いんだよ、どけ!」
早漏かどうかを聞いただけで、百瀬の過去や、情事の話なんて聞いてねえし。
「佐藤、すまない!」
慌てて上半身だけ起こすと、ベッドに運んで来たティッシュで飛び散らかした白液をオタオタしながら拭っている。
あの凛としたかっこいい百瀬は只今お出かけ中のようだ。
「もう出したんだから落ち着けよな!ったく簡単に出しやがって……とにかく早くどけよ!」
半ば自棄になりながら叱り飛ばすと、百瀬が長い手足を薄い俺の身体に巻き付けて羽交い締めにしてきた。く、くるしい。
「佐藤。嫌わないでくれ。あまりにも嬉しくて、調子に乗ってしまったんだ。離れないでくれ、いやだ」
別に嫌いだとは言っていないのだが……。
俺が本気で怒ったと思っているようだし、そこまで信用がないのだろうか。すまん。
しかし、ちゃんと好きだと伝えたはずなんだけどな。百瀬みたいなタイプは一日最低三回は、好きだの愛してるだの言わなきゃならねえんだろうか。めんどくせぇ。
「百瀬。俺はお前から離れるつもりはねえ。だから信用しろよ」
俺の首元に顔を埋めている百瀬は多分泣いていると思う。こんなデカいやつが捨てられた小動物のように震えてるのが不思議でしかたがない。
のっそり顔を持ち上げると、男らしくて人気者の百瀬の顔は、涙と鼻水でグチャグチャになっていた。
それでも美形が崩れないところがイケメンの特典のようで腹立たしいが、この情けない男が心から可愛いと思う。
俺は百瀬の泣きボクロに爪を強く押し付けて、十字マークを作ってやった。
「さとう。本当に離れないでくれ。好きなんだ……今の気持ちがいい。あぁ、すきだ」
愛の囁きの最中に痛みへの感想をはさむ所が百瀬らしい。ぶはっと吹き出すと百瀬も釣られて泣き笑いの顔になった。
「いつまでも絡みついてんじゃねえよ……俺も気持ち良くしてくれるんだろ?」
俺の言葉で再び火のついた百瀬は、キリッと表情が引き締まってオスの顔になった。
但し鼻水は垂れたままで……。
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