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俺をベットに降ろすと、藤崎は机の隣に置いてある小さな冷蔵庫からペットボトルの水を二本取り出した。
一本を俺に手渡し、もう一本のキャップを開け、直に口をつけて飲む。
俺もペットボトルを開けていると、藤崎が唐突に質問してきた。
「星と月…あいつら幾つくらいに見える?」
「んん、15か6」
幼いあいつらの顔や体を脳裏に描きながら、俺は応えた。
「ぶー。不正解。あいつら22だよ」
にやりと笑って藤崎が言う。
俺は思っていたよりだいぶ上の年齢を言われ、口を半開きにした。
「信じらんねえ」
藤崎はベッドに腰かけると、話始めた。
「あいつらの親が、センのところで借金して、返せない代わりに、息子たちを差し出すって言ったんだ。それを俺が買い取った。必要な時に親から十分な愛情や栄養をもらえなかったせいで、あいつらの体はまともな成長もできずに今に至るってわけだ」
そこまで言うと、藤崎は水を一口飲んだ。
「出会った頃のあいつら、お互いだけしか信じないって全身で他人を拒絶してた。そこで俺が余計な手助けしたせいで、まあ歪んじまってさ。でも本当は寂しがり屋で、悪い奴らじゃないんだぜ」
そう言うと、藤崎は俺の頭をくしゃりと撫でた。
「海。お前ならあいつらの気持ち、分かってやれるんじゃないか?」
見透かすような目で俺を見ながら言う。
こいつまさか俺の過去を調べたりしたんだろうか。
藤崎の表情は変わらず、そこから答えは見つけられなかった。
藤崎はそんな俺を見て微笑むと、ベットに押し倒した。
柔らかく尻を揉み、その奥のくぼみに、そっと指で触れる。
「ちょっと、待て。今日は無理だ」
ふっくら腫れて痛むそこを今日は使いたくなかった。
俺の言葉にすうと藤崎の目が細められる。
殴られる。
俺はぎゅっと目を閉じた。
そんな俺をふわりと藤崎が抱きしめた。
「まあ、そうだろうな。昨日は俺だけじゃなく、硝ともやったしな」
俺の隣に寝ころぶと、布団をかけ、腕の中に俺を閉じ込めた。
「殴らねえのかよ?」
目を瞑っていた藤崎が俺の言葉に薄目を開けた。
「何でだよ。お前俺に黙って悪いことでもしたのか?」
「してねえよ。…ただやれねえって言ったから」
「それは仕方ねえだろ。俺は別にお前を壊したいわけじゃない」
そう言うと、藤崎は大きなあくびをした。
「寝るぞ」
俺を更に深く抱き込む。
男に抱きしめられて眠るなんて、暑苦しいだけで、ちっとも嬉しくないのに、何故か俺の心臓は強く高鳴り、そのくせいつもよりずっと深い眠りに落ちた。
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