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「強いて言うなら、同居人かな。とにかく俺達はみんな等しく藤崎さんのペットなの。分かったか?」
俺の言葉を理解したのか、硝が黙って俯く。
俺はようやく静かになった硝に満足すると、布団を被り背中を向けた。
「海が俺のことを何とも思ってなくても、海は俺の特別だ。関係ないなんて言わないでよ」
しばらくして、硝がぽつりとそう言った。
俺は布団の中で聞こえないふりをした。
それから藤崎は俺のことになるとむきになる硝が面白いのか、しょっちゅう揶揄う様になった。
藤崎は硝に俺を抱く事は解禁したが、イキそうになると俺から離れるように命じた。そのせいで硝は結局自分の右手で欲望の処理をする羽目になったりもした。
硝があんまり分かりやすく憤るせいで、藤崎はそれから何度も同じことをした。
「なんか最近、海ばっかり構われてる気がする」
昼食に俺の作ったスパム握りをたいらげ、口元に米粒をつけながら星が言った。
「はあ?どうしたらそうなんだよ」
俺が口元についた米を取ってやり、自分の口に入れると、星は礼を言うどころかこちらを睨みつけてきた。
「だって藤崎さん、僕や月より硝や海の方ばっかり気にしているよ?ベッドの上でもそれ以外でも」
「あれは硝のことをからかって遊んでるだけだろ?」
「違うもん。昨日だってまるで見せつけるみたいに、海のこと何度も抱いてさ。おかげで僕達二人とも、藤崎さんに全然触ってもらえなかった」
星の嫉妬心が面倒で、俺は無言で首を振ると席を立った。
「ねえ、僕達、藤崎さんに飽きられちゃったんじゃない?捨てられちゃうのかなあ」
哀しそうな月の声が背中越しに聞こえた。
「そんなことさせない。絶対に」
星が固い声でそう言うのを聞きながら、俺は寝室の扉を閉めた。
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