アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
不穏な連絡
-
「・・・美味い?」
「うん、甘い」
甘いもの好きな彼は、どうやらフラペチーノを気に入ったらしい。
様子は普段とあまり変わらないが、無くなるのが惜しいのか、ちまちまと大切に飲んでいる。
「・・・一口いるか?」
俺は興味本位で楽にブラウニーをすすめる。
「いいの?じゃあお言葉に甘えて」
楽はにっこりと笑って、俺のブラウニーを一口食べる。
「うまー」
「・・・やるよ」
「え、でもこれどっちも尼野くんが買ったやつ」
「やる」
嬉しそうな様子を見ていると、なんだか全部くれてやっていいかという気分になった。
戸惑いつつも、大事そうにちまちま食べる楽を、俺は無言で見る。
『何なんだこの可愛い生き物は』
俺は真顔でiPhoneに目線を落とす。もう少し見ていたいが、今は死体が最優先だ。
重からの通知では、死体を家から回収したという連絡が入っていた。
「俺、ちょっとトイレ行ってくるね」
「あぁ」
俺は楽に短い返事を返しながら、重に礼をうつ。
しかし重から連絡が入った次の瞬間、俺は背筋を凍らせた。
『N街、ショッピングモールのトイレで、掃除屋に死体のバッグを引き渡す』
場所はここだ。
俺は素早く荷物を手に取り、楽の後を追いかけた。
「...くそ性悪野郎」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
103 / 116