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真っ白
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「シャワー、浴びてくる」
俺はテレビのチャンネルをニュースからエンタメに切り替え、風呂場に向かう。
シャワーを浴びてから戻ってくると、楽はソファで寝ていた。
「・・・・・一人でも寝れてるじゃん」
俺はぼそりと呟いて、その白に近い金に染められた髪を触る。
「・・・これ、元々真っ白だったんだろ」
楽の父親に買わされそうになった絵の中で、コイツの髪は真っ白だった。
「・・・ふふ、そうだよ」
楽が急に笑ったので、俺は少し驚いて髪を放す。
楽はゆっくりと目を開けて、こちらを見た。
「雪被ったみたいに、真っ白だったんだ」
楽は俺と目が会うと、にこりと笑って言う。
その整った容姿に加え細められた紫色の瞳が、妙に人間らしさを感じさせない不気味さを持っている。
「じゃあ俺もシャワー浴びてくるね」
楽はからかうように俺の髪を弄び、風呂場に向かう。
狸寝入りだったんだろう。
「・・・・アイツ本当に高校生かよ」
俺ぽかんとしたまま、そう愚痴って、エンタメテレビをぼーっと眺める。
笑えたことは無いけど、早朝と夜は付けたままにすることが習慣づいていた。
『夕飯、作るか』
と言っても、コンビニである程度買ってきているから、インスタントの味噌汁だけ用意すればいい。
ぐだぐだとテレビを見ていると、十数分後に楽が上がってきた。
貸した俺のトレーナーは、いつも通り少しダボついている。
「尼野くんのトレーナー、すっかり俺のになっちゃったね」
ほんのりと頬を染めた楽は、にこりと笑って言う。
「・・・いいから食えよ」
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