アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
(211)
-
「羽根田空」
「あ、はい」
「迅、少し体調が悪そうです、貴方も寮に帰るところだったのですから、一緒に帰りなさい」
「うん、そのつもりだった!
空、涙止めろ、帰るぞ」
そういえば、まだ涙が流れっぱなしだった
そこで初めて涙を拭った
頬の乾いた涙の跡が気持ち悪かった
「じゃあ帰るわ!また明日な!知恵!」
「ええ、くれぐれも気をつけて
羽根田くんも、何があったかは存じませんがゆっくりお休みになってくださいね」
「はい…さようなら」
気がつけば2時間以上も居座っていた体育倉庫から離れて、何故か迅と寮への道を歩いている
「なんであんなとこにいたんだよ
なんかされてたんだろ?」
「いや、まあ…
迅さんこそ、体調悪いんですか…?帰るって…」
「ああ、いや、家からかかってくる電話を寮で取らないといけないんだ
聞かれたらまずいから
適当に理由つけて帰ろうと思ってたらあいつ着いてきやがった
俺のことよりも、親衛隊になにかされたからってあんな壊れたように泣かないだろ?
一体何があったんだよ…」
「はは…いや、何も無いです…
それより僕、荷物取りに行かなきゃいけないです
というか帰ってる場合じゃないんです、授業受けなきゃ…」
「ブッサイクな顔で無理やり笑うな
そんな顔で校舎戻るとか馬鹿か?また殴られたんだろ、頬赤黒くなってきてる
それに本当に体調悪そうなんだよ、ただでさえ白いのにもはや青白くなってる
つべこべ言わず大人しく帰るぞ」
まさに暴君の迅さんに反抗できるわけもない
「はい…」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
213 / 239