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「ん…落ち着いたか」
「ご、めんなさい…服ぐしゃぐしゃ…」
結局あれから30分は静かに泣き続けた
どうしてこんなに涙が出るのかも分からないけれど、留まることを知らない涙は勝手に溢れてくるのだ
「本当、悪かった」
「…え?」
「俺があの日、あんな無理矢理に、強引にお前を抱いたからあいつらに誤解植え付けて、しかも俺のせいで今日も苦手な暗い中で2時間も放置されて
本当俺、お前に迷惑かけてばっかで、離れた方がいいんだよ」
「そんなことないです!
全部、僕が悪いんです
それに、律は海に一目惚れしたんだって言ってました
僕のことをそれなりに知っていたからこそ、全く違う海に惹かれたんだ、って
最初から僕なんて海にはかなわなかった
僕、本当に迅さんに助けられてるんです
そりゃあ最初こそ怖かったですけど今もこうして泣き止むまで相手してくれて、言葉にできないくらい感謝してるんです
だから、そんな寂しいこと言わないで…」
「あいつ、そんなことまで言ってたのか…
もしかして今日ずっと僕のことなんてって言ってんのも近藤に何か言われたからか?
なんでそんな酷いことができんだよ…」
「律のこと、悪く言わないでください
僕は律にも凄く助けられました、恩人です
色んな思い出も貰いました
僕は律にとって悩みの種でしかなかったから、離れられて良かったんです」
「俺、お前の近くに居るのが本当居心地良いんだ
俺こそ助けられてる
小さい頃からずっと、大嫌いだった媚びるような目とか恨むような目をお前は絶対俺に向けないって分かってるから、落ち着く
だから、俺はお前が許してくれるならまだお前の傍にいたい」
「許すとか、そんなの烏滸がましいです
こちらこそ、いてほしいです
というより僕がいてもいいんですか」
「だから、いてほしいっつってんだよ
今は、友人としてお前が元気になるまでそばにいたい」
「あ、りがと、うございます…」
「あーあ、せっかく涙止まったのに、また泣いた」
「迅さんの、せいです」
迅さんがへらりと笑ったのを最後に、頭がガンガンと痛くなってきた
焦りを含んだ迅さんの声を聞きながら、僕は意識を飛ばした
最近、本当に体がもたなくなってきている
しっかり、しないと
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