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なんとなく、なんとなくだけど、城島さんとかその他諸々、海に心酔して僕を海の代わりにする人たちと同じ目をしているように思えた
思わず後ずさる
「俺さ、父さんのこと、大好きなんだよ」
「…いきなり、何の話」
「まあ、とりあえず座って、時間はあるんだからゆっくり話聞いてよ、それなりに長くなるから」
強く腕を掴まれて鋭い痛みが走った
淡いオレンジのソファに強く叩きつけられて、体がはねた
居心地の悪さと律の豹変に驚いている間に
キッチンに行って戻ってきた律は氷の入ったグラスに紅茶をいれて持ってきた
どうぞ、と言われれば断れないので飴色に透き通る紅茶にミルクを入れて一口だけ飲んだ
「空には、話したよね
俺が自分のセクシャリティに悩んで、ちょっと荒んでた時に父さんに救われたって」
その話はよく覚えている
なんたって、僕が律への恋心を自覚した日のことだ
律のお父さんもお母さんもお兄さんも、泣いて律のことを心配して、怒って、謝って
そんな話
良い家族だなあ、と思ったのを覚えている
「昨日、父さんからいきなり荷物が届いた」
律が立ち上がって、自室から小さな箱と手紙を持ってきた
目の前に置かれたそれをただじっと見つめていると、読んで、と言われる
僕が関係するものなのか…?
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