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(227)(近藤律視点)
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父さんから送られてきた小包には小さな透明な液体が入った瓶と、短い手紙だけ
要領を得ない内容と、同封されていた瓶が何かわからなくて直ぐに父さんに電話した
「あ、もしもし、父さん?なんか届いたけど、これなに?」
「おお、やっと届いたか
お前の恋人、確か羽根田って言ったよな?羽根田の一人息子」
空のことは表向きには隠された情報だ
この学校に在籍している者なら知っているけど、社会に出れば空のことは暗黙の了解で話してはいけないことになっている
それなりに大きい羽根田の会社に潰されたくない人間がたくさんいるからだ
だから、俺も父さんには羽根田の子と付き合うことになったとだけ言ってある
それは今でも嘘ではないけど…
「それを使って羽根田の息子の動画を撮ってほしいんだ」
「動画…?なんの」
「感じまくって喘ぐ息子の動画だよ」
耳を疑った
感じまくって、喘ぐ?空が…?今で言うなら海のことか…?
どっちにしろ、父さんの言葉から察するにこの瓶に入っている液体は媚薬だろう
でも、何故そんなことを…
「どういうことだ、父さん
説明してくれなきゃ、納得できない」
「今、近藤グループは飽和状態にある
やることは全てやって大きくした、でも父さんはこんなんじゃまだ足りないんだ
そこで、手を貸してくれるって言う奴らがいてな
そいつらが言うにその薬は依存性があるセックスドラッグでこれを使えば一儲けできる…ってな」
「父さん、それヤクザとかじゃないの?騙されてる、というか良いように使われてるだけだ」
「馬鹿言うな、俺が、あいつらを使って、大きくのしあがるんだ」
「まあ父さんなら、上手くやるんだろうけど…
そこでなんで動画が必要になるんだよ」
「今、柳野が羽根田に提携の打診を出しているらしい
俺たちは柳野にだけは負けられないんだ…そうだろ?律
柳野がすることは全て潰していかないと
そこで愛息子の恥辱の動画で羽根田を脅すんだ
もし脅しが効かなくても見目が良いと噂の羽根田の息子の動画があれば宣伝効果も高い
な?俺たちにプラスにしかならない
お前はただ恋人を甘やかしてデロデロになる姿を撮ればいいだけだ
分かったな?」
父さんには、逆らえない
「…分かった」
でも、海にはそんな薬、使えない
元気になってきてはいるけどこの間まで車椅子だったんだし、それに海と最初にセックスするのは父さんの命令なんかじゃ嫌だ
方法は、ひとつしか、なかった
「ああ、律、お前のなんの得にもならずむしろマイナスだと思えたセクシャリティが役に立って良かったよ
じゃあな、いい報告を待ってる」
信頼していた父親に、認めてくれていると思っていた父親に、
そんなことを言われて、受け止めきれなかった脳は考えることをやめた
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