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風邪をひく1
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柊「確か1枚目が童話通りの青を基調とした服で,2枚目が白を基調とした服」
俊樹「3枚目が赤を基調とした服。そして今回で4枚目の服は……黒か」
取り出した服は上から下にかけて黒から青のグラデーションがされている布を使用した黒を基調とした服。
黒いレースが所々にフリルとしてついている。
そしてスカートの下のところには青い蝶が飛んでいる。蝶が来たであろう道には白いキラキラ?がついている。
遥「今回も凝ってるね。この布探すの大変だっただろうね。それに加えて靴と靴下まであるよ。僕のがこれってことは要のも…」
要が取り出した広げた服は僕と同じような生地が使われていてカッターシャツの上に着るスーツみたいなのの端のところには同じく蝶が飛んでいる。
要「多分これで決定だろうな」
遥「なんで?」
柊「確かにね~。多分この衣装今までよりクオリティも値段的な面でも一段と上がってるし」
遥「確かにそうだけどいつものも結構高いよ?」
俊樹「まぁ明日になれば皆もきっとこれで決定にするだろ」
ガン無視ですか。のけ者ですか。
そーですかそーです。別にいいですよ。
無視くらい慣れてますから…。
柊「フハッむくれないむくれない,遥ちゃんは基本的に黒が1番似合うから決定だって言ったんだよ?」
僕の頭を撫でながらニヤニヤしている。
遥「別に拗ねてないよ」
俊樹「拗ねてるじゃないか」
遥「拗ねてない」
要「じゃあ怒ってるのか」
遥「別に怒ってもないよ…ふぁ~…」
あくびが出る。
手で目を擦って涙を拭う。少し眠たい。
俊樹「眠たいのか」
遥「うん,ちょとこの1週間想像以上に疲れちゃってさ,少し貧血みたい」
柊「先お風呂はいっていいから早く休んだ方がいいんじゃない?遥ちゃんって身体あまり強そうなほうじゃないでしょ?」
遥「…ありがとう,そうさせてもらえると助かるよ」
要「飯はどうする」
遥「うーん…お腹空いてないんだよね」
全くお腹が空いていない。
と言うより空かない。あんなに動いていたのにも関わらずびっくりするほど空腹を感じなかった。
あぁこれは一様月島先生に言わないといけないのかな…。でも先生は忙しいだろうしな。
柊「じゃあ一様お粥と果物を冷蔵庫に置いとくね。お腹がもしも空いたら食べてね。」
遥「ありがとう,じゃあお先にお風呂入らしてもらうね?」
«シャーー»
シャワーのお湯で床に広がったシャンプーを流す。
最後に鏡を流してお湯を止めた。
遥「痩せたな…」
鏡に映る自分の姿に感想を述べるとしたら"醜い"と言うだろう。自分が選んだ道に後悔はない。
4月に中旬にこの学園に入学して約2ヶ月とちょとが過ぎた。
湯気で曇っていく鏡。
完全に曇る前にお湯へと浸かる。
君はきっと忘れているだろう…。本当に初めて出会った日のことを。あの時の君の言葉で僕がどれほど救われたか。きっと君は知らないんだろうな…。
そろそろ上がらないと心配をかけてしまう。
ゆっくりと立ち上がりお風呂場を後にした。
その後は先にベットに入り就寝した。
«ピピピピッピピピピッ»
俊樹「38度8分。完全に風邪を引いたな遥」
遥「うそ…」
只今の時刻は8時。
休日のクラス練習は8時半から。
そして僕はまだパジャマでベットに転んでいる。
そして目の前にはベットに手を掛け僕のおでこに手を当てている俊樹。その後で腕を組んでいる要と苦笑いをしている柊。
僕は見事に熱を出してしまったのだ。
朝起きた時に頭がふわふわするよう感じがしたけど気のせいだと起き上がろうとすると身体に力が入らず,やっとの思いで携帯を取り1番上にあった俊樹のケータイに電話をかけた。
そして今に至るというわけなのだ。
俊樹「柊,遥の前髪を上げといてくれ。熱冷まシートを貼りたいんでな」
柊「分かったよ。うわ~,熱いねこれは」
遥「んっつめたい…」
要「大丈夫か?」
遥「だいじょうぶだよ?もうすぐしゅうごうじかんになっちゃうからいっていいよ?」
熱のせいでかうまく回らない頭と一気に悪くなった呂律でなんとかそう伝える。
柊「でも…」
要「俺は残る」
遥「だめ」
要「嫌だ」
遥「だ・め!」
要「い,や,だ!!」
遥「かなめがのこるっていうならもうぜったいかなめとくちきかない。むりしてでもれんしゅうにいく」
要「…………………………………………チッ」
長ーい沈黙のあと多分了解の舌打ちを受けた。
思わず苦笑いが出た。
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