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昔の夢13
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深海「ふぅ…待たせて悪かったわ~,すこ~し気になったことがあってな~」
遥を腕に抱き反対の手で髪の毛を拭きながらリビングへと入った。
こちらを向いた2人の手には酒の入ったグラスが持たれていて机の上には猫が作った俺のつまみが置かれていた。
深海「おいおい~,他人の家の冷蔵庫勝手に開けないでちょ~だいよ。しかもそれ猫が作ったやつじゃね~の…。その酒も店のだしよ~」
瞬「店の酒をめちゃくちゃにした張本人に言われても何も感じないぞ。つまみは…うまい」
麗「確かにこのおつまみ美味しいっすね!!健康にもいいしさすが遥ッスね」
深海「だろ~?俺の遥だからな~」
ニヤリと笑ってみればウザそうに眉をひそめ舌打ちをされた。麗は苦笑い。
はぁと溜息をつき同じようにテーブルの横に座る。
遥は膝の上に横向きに座らせ頭を首元で支える。そうすれば腕が俺の首に軽く巻き付きすりすりと甘えてくる。先程の怒りが嘘みたいに静まっていく。
瞬「シン,お前今結構だらしない顔してるぞ」
麗「シンさんとても顔が緩んでますよ?」
深海「ん?んー…猫が俺の腕の中にいるのが安心するだけよ~」
おでこにキスを落とす。
瞼に。頬に。鼻に。耳に。
遥の髪に鼻を付けさっきとは違うちゃんといつもの匂いに顔を緩める。
瞬「おいシン。自分の世界に入るな。あと傍から見たらエロいんだろうが俺から見たらただの変態だぞ」
深海「嘘~。俺変態?それは嫌じゃないの 」
遥「ん,んー…うるさい…」
深海/瞬/麗「「「…」」」
眉をひそめうるさいと呟きまた眠ってしまった。
…なんというか猫は
麗「俺2人にうるさいなんていう人初めての見ました」
瞬「俺も初めてだ」
深海「奇遇だな~,俺も始めてだわ」
寝言でも聞けた声に俺の身体は歓喜に震える。
頬を撫で親指で唇に触れる。ちゃんと息をしていることにまた安心する。
瞬「流石にそこにキスをするなよ…」
麗「ほかの所なら綺麗で終わるっすけどそこはもうアウトです…」
深海「するわけないでしょ~に,失礼な」
人のことなんだと思ってるんだか…。
にしても今回の件があったからには瞬に頼んだモノたちが全部なしになってしまったかな。
まぁそんなことより俺はその男のことが気になる。
防犯カメラではよく分からなかったもののどこかであったことのあるその男の映像。
深海「多分…」
俺の顔を見て真面目な話だと理解したのか顔つきが変わる2人。本当に察しが良くて助かる。
深海「多分猫はあの男に抱かれてる。身体にいくつもの華が咲いていた。それだけじゃなく噛み跡までな」
瞬「…」
麗「…やっぱり」
俺達の…裏の世界では良くあること。
子供だろうが大人だろうが女はよくレイプされる。
女だけとは限らず猫のような容姿のいい人間は特に。
俺達の仕事の依頼にもよく来る。
犯人を探してほしいと。
深海「猫は自分で風呂に入ったんだろうな…。その場所全部の皮が向け,血が固まっていた」
瞬「どれくらいだ」
深海「…ちゃんと治療してもあとが残るかもしれないくらい…だ」
麗「自分で…」
深海「せっかく瞬に頼んでた猫の名前や履歴書の変更や中学校のパンフレットとか無駄になっちゃったな」
瞬「別にいいさ。本人証明書の手続きもいつでもできるしな…。その気になれば俺たちなら履歴くらい変えられる。中学校の話もまた今度でな…」
そう言う瞬の顔には少しの怒りが見える。
もちろん瞬だけじゃなく麗の顔にだってわかりやすく怒りが浮かんでいる。
そんな静かな沈黙を破ったのは俺の膝で眠っているはずの高く凛とした猫の声。
遥「…ふふ,みんな怖い顔してるよ?かっこいい人は笑わなくちゃ。台無しだよ?」
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