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風邪をひく8
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日比谷「…い,……おぃ…おい!!」
遥「ん…はぁはぁ,たち…ばぁ,なせん…」
日比谷「っと…森山,ゆっくりと呼吸をしろ…おい!!じっとしてねぇでさっさと紙袋と氷水とタオルとお湯をもってこい!!」
遥「はぁはぁ…ケホッ…ヒュッ…はぁはぁ…」
ここは部屋?
なんで橘先生がいるんだろう?
苦しい…息がまともに出来ない。
遥「はぁはぁ…シ…ヒュッッ…ン…」
日比谷「落ち着け…」
柊「袋持ってきた!!」
日比谷「遅せぇよ!!…森山,落ち着いて息を吸え」
橘先生は座る僕の体を横から支えるようにする。
手は背中に周り腰あたりに,もう一方の手は袋僕の口元で無理やり固定する。
横にいる橘先生の体に持たれるように座る僕は先生の服を掴み必死に呼吸を繰り返す。
目を閉じ呼吸に集中する。
ゆっくりと荒れていた呼吸は収まっていく。
袋をそっと口元から外される。
遥「はぁ…はぁ…」
日比谷「はぁ…大分落ち着いたな。まだ持たれかかってていい。今は無理に動こうとするなよ。呼吸に集中しとけ」
まだ少し荒い呼吸を落ち着かせようとする。
そんな僕の額に暖かいタオルが触れる。あぁ多分汗をかいていたんだろうな。
元の呼吸に戻り始めゆっくりと目を開ける。
薄ぼんやりと映る視界を何回か瞬きをすることでクリアにする。
ゆっくりと顔を上げると至近距離に先生の整った顔があった。
僕の視線に気づいた先生は小さく溜息をつきタオルを持っている手で軽く頭を撫でられる。
まだ支えられていることで服越しに伝わってくる体温が暖かくて落ち着く。
服を掴んでいた手をそっと離すと力なく下へ落ちる。
完全に正常な呼吸に戻ったと確認するとベットに戻される。
額に冷たいタオルが載せられる。
日比谷「あー,疲れた…」
遥「…すみません」
柊「大丈夫?遥ちゃん…」
橘先生がベットから離れ床に座ったと同時に柊が顔を覗かせる。
遥「大丈夫…だけどなんでこんなことになったのかまだ自分で理解ができてないんだ…」
俊樹「お前の熱が下がってきたから明日から学校に行けるか橘先生に見てもらおうと思ったんだ。それで帰ってきたらまだお前が寝てて少し待ってると急にうなされてたんだ」
遥「僕が?」
要「お前以外に誰が寝てるんだ。ついでに言うと泣いてたぞ。…その後呼吸がおかしいことに気づいて起こした」
あの夢のせいかな…。
夢……。もしかしたら起こりうるかもしれない現実。
遥「そぅ…」
要「ついでに言うとまた言ってたぞ」
遥「何を?」
要「シンって」
遥「ふふ,夢に出るほど会いたい人なんだ…よ?多分会えな…いけど…ね?」
力なく立っているため見える3人に微笑み意識を手放した。
死を選んだ未来に後悔は無いはずなのに…こんなにもシン達に会えないことが苦痛なんて知らなかったな…。会いたいよ…シン,瞬さん,麗。
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