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文化発表会前日8
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遥「なんでそんなに怒ってるの?」
隆彦「なんでって…」
遥「洋さんは多分僕に対する恋情はないと思うよ?だってその写真加工してる時の洋さんすっごくニヤニヤしてた…。あれはイタズラをしてる子供みたいだったよ…」
郁人「どうしよう…すっごくその顔が簡単に思い浮かぶよ」
頭を抱えてため息をつくイクを横目に他の人達の方をみる。
遥「まぁほっぺくらいいいんじゃないのかな?ダメなの?」
和也「ダメですよ~!!」
遥「うわっ…和くんいきなり飛びつくのはなるべく控えてね」
あっダメだ,これ聞いてないパターンだ。
ほっぺたくらい別に問題ないと思うんだけど…違うのかな普通。
遥「うーん…」
俊樹「悩むな」
«パシッ»
遥「いた…暴力ハンターイ」
軽く叩かれ頭をさする。
遥「だってさ,口は流石にあれだけどほっぺたとかなら別に何ともないよ?僕だってやって!!ってすっごくお願いされら別にいいよって言えるしね」
柊「いやそこは断ろうよ!!ダメだよ遥ちゃん…」
拓也「やってくれるんですか!?」
和くん越しにキラキラと目を輝かせながら僕の方を見ないでほしい。
遥「…人によるってのを追加しときマース」
拓也「遥センパイそれ結構傷つきます…」
遥「ごめんね?」
拓也「可愛いから許しますけど…というか和也そろそろ遥センパイから避けろ,遥センパイに負担がかかるでしょ」
拓くんによって離された和くんは何か文句を言っている。
……体調がすこぶる悪い。これ以上ここにいたら多分大変なことになっちゃう…。
«ガタッ!»
遥「…」
大輝「遥?どうし…」
遥「ごめん,ちょっと用事を思い出しちゃった。多分用事が終わったら寮に直帰すると思うから何か用があったら連絡してね?じゃあ」
要「じゃっておい遥!」
大輝「行っちまった…」
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どこか,人が来ないところ…。
運良く人はそういない。昼だからもあるだろうけど明日のこともある。
遥「はぁ,はぁ」
もう夏に入りかけている。
特に今日は暑い。みんなワイシャツ1枚だ。
けど僕はワイシャツの上に長袖のセーターを着ている。普通の人ならばきっと何もしなくても汗が出てくるレベル。
それでも寒い。
教室にパーカーを置いてきてしまった。
最悪だ。寒くて仕方がない。
気持ちが悪い。
人がいない所…。
図書室近くのトイレなら人がいない。
ふらつく足取りのまま何とかたどり着いた。
遥「ゲボっ…はぁはぁ,うっ…がはっ…」
喉が焼けるように暑い。
さっき食べたものがそのままでてくる。
赤い液体と混ざって。
1度波が来ると止むことはない。
…薬飲まないと。
遥「はぁ,がはっ…うっぐ…あぁっ」
胃の中はもう何もないはずなのに…。
なんでこんなに波がおさまらないの?
意識が朦朧とする。
どれくらい時間が経ったんだろう。
波がおさまりトイレから出る。
手と口を洗いハンカチでふく…。
どこか意識がはっきりとしない。
吐く前よりも足がふらつく。
人に迷惑にならない場所…人が来ない場所。
図書室にで少し休ませてもらおう。きっと誰もいない。
図書室の扉を開けようと手を伸ばした時,扉は自動的にあいた。いや中にいた"誰か"によって開けられた。
ダメだ。ここには人がいる。早く立ち去らないと。
優「おっとすみません…って白雪くん?」
誠「おい優どうしたんだ。そんな所で固まって」
零「誰かいるみたい」
ふっと何かの糸が切れたように身体の力が抜けた。
自分の意思に反して意識はもうはっきりとしていない。視界が滲む。
僕を受け止めた人が何かを言っているみたいだけどもう何も聞こえない。
また誰かに迷惑をかけてしまったのかな…。
そう思いながら意識を手放した。
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