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文化発表会当日5
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遥「いよいよ本番だね…緊張する」
要「お前でも緊張することあるんだな」
俊樹「意外だな」
柊「まぁ,2人とも頑張ってよ~」
遥「…」
柊「?どうしたの」
俯いて喋らない僕を心配したのか柊が顔をのぞき込んできた。
どうしよう…結構ダメかも。
本番になったらダメになるタイプ。
今になって手足が冷えて震える。
冷や汗が止まらない。呼吸があさくなる。
柊「…遥ちゃん」
遥「うわっと…なに?どうしたの柊」
数秒の沈黙のあと手をひかれて柊の腕の中に閉じ込められる。思ってた以上に力強くて,目の前にある柊の服を掴むことしか出来ない。
遥「ひい…らぎ?」
柊「ちゃんと呼吸をして遥ちゃん…。今さっき呼吸してなかった」
俊樹「呼吸…してなかった?」
要「そんなことあるのか?」
怒ってる?心配してくれてる?
どっちにしろ迷惑をかけてる…よね。
早く戻らないと,早く離れないと…迷惑が。
柊「……ゃん,遥ちゃん?」
遥「ッ…なぁに?」
柊「うーん…あっ俊樹,ちょっと交代」
遥「え?」
柊「ちょっと遥ちゃんのこと持ってて」
遥「持つって…」
俊樹「別にいいが…お前どこに行くつもりだ?本番までそんなに時間ないぞ?」
俊樹の言う通り今僕らのクラスの前の人たちが劇をやっている。後30分あるかないか…。
柊「…大丈夫!!とりあえず待ってて~」
そう言い残して行ってしまった。
どこに行った?何をしに?もしかして僕のせい?
考えれば考えるほどマイナスな方に思考が行く。
俊樹「…はぁ。遥,息をしろ。柊の言った通り呼吸が浅いぞ。酸素足りなくなって倒れるぞ」
柊の消えた方をずっと見ていると後ろから顎を捕まれ上に向けられた。
眉間に皺を寄せた俊樹の顔がそこにいて…。
遥「呼吸してる」
俊樹「浅いつってんだろ」
いきなり低く口が悪くなった俊樹に思わず身体が反応する。こっちが素の姿…。不良。
遥「……大丈夫だから」
俊樹「………」
遥「ッ…誤解される」
俊樹「別にいいだろ…だいたいもう遅い」
くるりと体を回され正面から抱きしめられる。誤解されると言う言い訳で離してもらおうとすると事実を言われる。確かにもう遅いけど…。
要「お前は周りを気にしすぎだ。観客なんて気にすることねぇだろ…ただのモブだ」
遥「失礼だね」
柊「たっだいま~」
俊樹「…お前なんてかっこしてんだ」
柊「似合ってるでしょ?」
要「きも…」
柊「酷くない!?」
俊樹に抱きしめられてるため声は聞こえても姿は見えない。
体を捩り何とか後ろを向く。
そこにいた柊の姿に僕は唖然とするしかなかった。
遥「なんで…小人の衣装を着てるの?」
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