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文化発表会当日8
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劇も順調に進んでいきクライマックスになっていた。
姫が毒りんごを食べ花と一緒に棺の中で眠ている。その周りで小人が涙を流し姫を見守る。
というかなんで声をかけても起きてくれない=死んでいるなんだろ。小人の頭には気を失っているって言う考えはなかったのかな…。
要王子「…そんな所で泣いて何をしているんだ?」
要王子の登場。
小人たちが僕の齧りかけの林檎を要王子に渡す。
その林檎を軽く匂い毒だと言う。王子の嗅覚半端ないよね。いやぁまぁ王子だから鍛えてるのかもしれないし…うん。
小人「ど,毒!?じゃっじゃあ白雪姫はやっぱり…」
やっぱりとか言ってるけど僕もう棺に入れられてるよね。死んだこと確定されてるよね?
死んだと思われてるよね…。
要王子「安心しろ…姫は少ししか口にしていない…」
何を安心すればいいのかな…。
確かに少ししか口にしていないけどお義母さんは姫を殺そうとしたんだよ?普通猛毒を塗るでしょ。
お義母さん優しすぎだよ…。
ほんとに殺す気あったのかな?
要王子「姫…」
目をつぶっているからよく分からないけど頬に要の手が添えられる。親指で下唇をなぞる,それがキスする合図と約束している。
«ちゅ»
…え?
ゆっくりと目を開ける。
遥「私はいったい…」
その声と同時に小人たちが大喜びで姫の名前を呼ぶ。
ゆっくりと上半身を起こして要を見る。
今…俊樹と同じところに…。
要「((ボソッ…遥,セリフ」
小さな声でそう言われ慌てて自分のセリフを言う。
そこからは要王子にお姫様抱っこで抱き上げられ棺から出される。
少し歩き,舞台の真ん中で降ろされる。
そして僕の前にひざまづき右手にキスをおとす。
要王子「白雪姫…俺と結婚してください」
右手を待ったまましたから見上げられる。
演技と分かっていても言われれば少なからずドキッとする。
遥「はい,喜んで…」
出会って間もない相手とよく結婚出来るな…。
なんて冷めたことを考えながら劇は幕を閉じた。
遥「はぁ…終わったぁ。喉乾いたな」
俊樹「おつかれ,飲み差しでよかったらやる」
遥「ありがと俊樹…」
冷たい水が喉を通る。
ずっとライトを当てられていたから少し暑い。
時計を見る。
時刻はもうすぐ12時を刻む。
そろそろ図書室に行かなきゃ。
遥「昨日言った通りごめんけど少し用事に行ってくるよ…上手く誤魔化しといて?」
柊「了解」
要「これ着替えの袋…後でクラスで衣装きて写真撮るらしいから」
遥「わかった…じゃ」
午前の部の終わりの挨拶が生徒会からと風紀からの注意がある。人望が厚い生徒会と風紀委員。
さっきはあんなこと言ったけど僕はそんなに疎くないんだよね。周りの環境に…。
人からの感情にもね。
確かにモテるけど憧れの眼差しも多い。
今ならこっそり出れば誰にもバレないと思う。
衣装のままとりあえず図書室へと向かった。
鍵を開け中から一応閉めておく。
誰かに入ってこられたら嫌だからね。
とりあえず机に制服を置く。
ズボンを履きベルトをしめる。
その際髪が横に落ちる。
そう言えば昔は僕も髪長かったけ…。
あの頃はめんどくさいって嘘ついてたけど本当はシン達が僕の髪を綺麗って言ってくれたから伸ばしてたんだよな…。
それにシンの歴代の彼女の写真を瞬さんに見せてもらって全員黒髪の長髪だったからヤキモチ妬いて…。
少しだけあの頃を思い出してあの時の匂いがしたようなきがした。
窓を開け空気を入れ替える。
外から風が入ってきて夏の匂いがした。
微かに聞こえる蝉の声と草木が掠れる音。
?「そうしてるとほんとに女の子みたいだね遥」
声がして外に向けていた視線を室内に戻した。
そこに居たのは柿原先輩と四宮先輩,西井先輩。
そして…
遥「やっと会えましたね…謎の先輩さん?」
?「直接では初めましてだね」
遥「ふふ,そうですね…生徒会書記 清水秋さん」
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