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【遥と麗の香水事情】番外編
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«カランコロン»
麗「チャオ!!遥元気してた?」
遥「麗!!瞬さん!!久しぶり、また仕事だったの?」
瞬「まぁな…ひと段落したしこっちに顔見せに来た」
遥「そっか…いつものだよね?用意してくる」
シンは今他のお客さんのお相手中。
邪魔はしちゃいけないから奥の方のカウンターに座った2人の前に立つ。
遥「麗また香水変えたの?」
麗「さっすがー。その通り!!結構マニアックなの買ってみた」
遥「そっか」
深海「猫!!これ奥のテーブルに座ってる佐藤さんとこ運んでちょーだい!!」
遥「は~い!!」
ほんの少しだけ…苦手な匂い。
麗の匂いが消えちゃうような…飲み込まれるような匂い。嫌だな。
その日は少しだけ早くお店を閉めた。
そしてその日から少しづつ僕は麗を避けるようになった。
深海side
うーん。
猫はもうベットで先に寝ている。
そして俺がいるのは閉店したBARのカウンターの中。
前には瞬と伸びている麗。
理由は聞かなくても分かる。
最近猫は麗を避けている。中学校生活が始まり最初の方はストレスで熱を出したり夜なかなか寝れなかったりと落ち着いていなかったが半年も経てば安定して来ていた。
麗「なんで遥俺を避けてるんすかね…遥に避けられるのって結構堪えるッスよ……」
瞬「遥に何かしたのかお前」
麗「何もしてないっすよ!!なのにぃぃ…シンさん遥何か言ってませんでした?」
深海「特に何も言っていないんだよね~これが…。ん?…ククっ,答えは本人に聞こうじゃねぇの」
遥「ッッ」
裏の厨房は部屋と繋がってる。
こっそりと身を潜めて盗み聞きをするのは猫の癖。
深海「麗はともかく俺と瞬は気づいてるぞ~」
遥「…チッ…」
深海「おいおい,舌打ちしちゃいや~よ…全く誰に似たんだか」
瞬「それは俺を指してるのか?」
遥「…」
壁からひょこっと覗く姿はとても可愛い。
抱きしめたい衝動を我慢して手招きをする。
テクテクと歩いてくる猫はどこかシュンとしてて…。
それに目はトローンとして。申し訳なさと眠たさが戦ってるって感じだな。
深海「ほら猫?ちゃあ~んと説明しなさい」
遥「だって…」
瞬「だって?」
遥「今付けてる香水…僕嫌い」
麗「へ?香水?」
あぁなるほど…。
遥は匂いフェチだ。女物の強い香水や頭が痛くなるほど強烈な匂いがダメですぐ気分がわるくなる。
遥「麗を飲み込むような匂い。すごく気持ちが悪い…」
飲み込む…ねぇ。
麗「じゃ,じゃあ香水変えればいつもみたいに抱きついていいの?」
遥「…うん。変えてくれなきゃぎゅうが出来ない」
急いで風呂入って新しい服に着替えてくる。
そういい裏へと行ってしまった。
深海「さて,よっと…痩せたんじゃね~の猫。ちゃんと食べなさいよ~」
遥「うん……」
瞬「もう落ちるな…おやすみ遥」
遥「おやすみ……」
その言葉の後すぐに規則正しい寝息が聞こえた。
寝た…か。
背は伸びているのに体重が一向に増えない。元々太りにくい体質なのもあるがココ最近食が前以上に細くなってしまった。
瞬「はぁ…今回は"飲み込むような"か。前回は"媚びる女"。この間は"威厳ある強い男"」
深海「"特定の煙草"。"派手目のアクセサリー"に"和風な家具や物"…」
ここに来てからずっとそうだ。
遥は忘れていても感覚のどこかでは覚えている。
その"何か"に近づくとすぐに気分が悪くなったりひどい時は倒れる。
深海「括りが分からねぇんだよね~。結びつくのは"媚びる女とアクセサリー"だったり"威厳ある強い男と煙草"だったり…」
瞬「反応する全てが結びつかない。チッ,情報が足りない」
深海「ほらほらー舌打ちしてるじゃねぇか~。ダメだかんね~舌打ちは…猫が真似ちまうじゃねぇ~の」
少し話した後今日は泊まるということで空き部屋に布団を2枚敷き俺と遥はベットに入った。
いつものように擦り寄ってくる遥の変わらぬ姿に安心を覚える。家族になったクリスマスから甘えることが増えるようになった。
けどやっぱり俺に似ちまったらしく嘘が上手い。
特に本当に隠したいことだったりすると本当に分からない。
眉間に皺を寄せ小さく唸る遥のおでこに優しいキスを落とす。腕枕をしている手て後頭部を優しく撫でる。
サラサラの黒髪は手触りがよくずっと触っていたくなる。
しばらくするとまた規則正しい寝息が聞こえる。
軽く反対の腕を遥に回し俺もその日はそのまま眠りについた。
次の日から避けなくなった猫に勢いよく抱きついた麗の顔の緩みようと言ったら凄かった。
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