アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
色褪せない思い出
-
アナタと出逢い、恋に落ちたあの瞬間を今も鮮明に思い出せるんだ。
眩しいほど輝く笑顔。
その顔を見る度胸がときめいていた。
それが友情では無く愛情だって気づいたあの日。
それはいつまでも色褪せることなく、記憶の中に残っている。
デビュー前のメンバーが集められたあの日、名瀬と出会った。
キョロキョロ周りを見回して、俺と目が合うとニッコリ笑う。
自覚はないけど、多分この時にはもう恋に落ちていた。
その笑顔に目を奪われて、逸らせずにいると近づいてくる。
「俺、名瀬智希。そっちは?」
「あ...えっと、佐久本洸介」
よろしくと言われて、手を握られる。
人懐っこい名瀬に、最初は戸惑うばかりだった。
だけど正反対な性格なのに、一緒に居ると心地よい。
いつの間にか周りにも認められる親友になっていた。
そんな俺たちの関係を変えたのは、俺の初めての恋愛だった。
相手の女性から言い寄られて始まった関係。
まだ人気が出る前のことで、責任感も何も考えてなかった。
週刊誌にスクープされ、事務所から謹慎処分。
彼女とも別れることとなり、アイドルと言う仕事について色んな人から勉強させてもらった。
自分の行動一つで全てが終わってしまうこと。
事務所や他のグループにまで迷惑がかかること。
責任感だけは絶対に無くしてはいけないこと。
告白されてのぼせてただけの俺にとって、彼女はただの飾りであったことに気づいた。
だから事務所に言われてあっさり別れられたし、悲しい気持ちもなかった。
それよりも何故か名瀬の反応が気になる。
恋人ができた時、事件になった時、別れた時。
側に居た名瀬にどう思われているか、それが気になっていた。
それが恋心だと気づいたのは、今度は名瀬の恋愛話を聞いた時だった。
応援する気持ちになれない自分に戸惑い、悲しくなる感情が止まない。
彼女の話をする度に「どうして自分じゃないのか」を考えてしまい、この気持ちが友情では無く愛情だって気づく。
そしてこの恋が絶対に叶わない事も。
親友として名瀬と付き合いながら、心の中は恋心でいっぱいだった。
ふざけて抱きついてきたり、スキンシップの多い名瀬に、ドキドキさせられる。
「洸ちゃん」
そう呼ばれる度に幸せな気持ちになってるなんて、名瀬は知る由もない。
名瀬の一挙一動に嬉しくなったり悲しくなったり。
俺の恋はそれだけで終わるはずだった。
だけど、思いがけず両思いとなり恋人となることとなった。
恋人となっても、相変わらず名瀬の行動一つで左右されてる俺の気持ち。
それでも片思いの時とは違う温かい気持ち。
「...なんかぼうっとしてる?」
「ちょっと...昔のこと思い出してた」
この気持ちはどれだけ時が過ぎても変わらないんだろう。
なんねんたっても、いつまでも。
*****
洸介の気持ちの変化を書きたかったんですけど、なんか、サラ~っと書きすぎて微妙な感じになってしまいました...。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
17 / 44