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キミに逢いたくて
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桜舞う夜に、淋しくなってキミに逢いに行く。
突然の訪問にも、いつもキミは嬉しそうに笑顔になるね。
その笑顔を早く見たくて、少し足早に進む。
キミが逃げる事なんてないのに。
Toyのコンサートの最終日だった。
疲れが襲っていたが、気分はとてもいい。
マネージャーの運転する車の窓から桜が見えていた。
「ここで、いいや」
マンションの少し手前で降ろしてもらう。
風に吹かれて、花びらが舞っていた。
今年の桜はもう終わりだろうか?
ゆっくり見てる暇なんて無かった。
洸介と逢う時間も。
寂しがり屋の恋人だけど、仕事の事を考えて逢うのを遠慮しているのが分かった。
事務所ですれ違う時の悲しそうな瞳に、つい甘やかしてしまいそうになったけど、止まらなくなりそうだから敢えて逢わなかった。
きっと今日も俺の部屋で寝てるのだろう。
「名瀬の匂いがする」
なんて可愛いことを言いながら。
洸介の事を想い、逢いたい気持ちがつのる。
足早にマンションへと向かう。
帰宅し、一直線に寝室へと行くと、想像通り俺のベッドで寝る洸介の姿。
すぐに抱きたくなる気持ちを抑えて、起こさないようにベッドへ入る。
身じろぐ洸介を抱き寄せた。
可愛くてたまらない。
優しくキスをして、身体を撫でる。
「ん...」
寝ぼけて抱きついてきた。
起きる気配は無い。
その姿に苦笑して悪戯を終了し、抱き締めて眠りについた。
目が覚めると、隣に洸介は居ない。
かわりに朝食の美味しそうな匂いが漂っている。
「おはよ」
声をかけると、嬉しそうに笑う。
今日は和食のようだ。
「おはよう、眠れた?」
テーブルにご飯、味噌汁、焼き魚、納豆が並んでる。
いただきますと手を合わせ食べはじめる。
洸介はサッと食べて、席を立った。
「ゆっくりしたいんやけど、仕事なんや」
ごめんねとバタバタ出掛ける用意をして、俺の頬に口付けをする。
名残惜しいが、仕方ない。
「いってらっしゃい」
手を振って見送った。
食事を終え、リビングのソファーに寝転ぶと、いつの間にか睡魔に襲われていた。
何だかんだで疲れていたようだ。
気づけば夕方で、空は赤く染まってる。
「あ...起きた」
予想外に近くから聞こえた声に驚いて顔をあげると、ソファーの側に座って俺を見ていた洸介と目が合う。
「いつから、そこに...」
「ん~...30分くらい前かな?気持ち良さそうやったから、起こさへんかった」
ずっと寝顔見てたらしい...。
手を伸ばし、抱き寄せてキスをする。
やっと洸介と触れ合えた気がした。
「...シていい?」
「ええよ」
寝室に移動して、身体を重ねる。
逢えなかった時間を取り戻すように、何度も...何度も。
深い繋がりは、そのまま気持ちとリンクした。
「洸ちゃん、愛してる...」
囁きに身体を震わせ達する洸介。
愛おしくて抱き締める。
いつの間にか桜は散っていた。
*****
散る桜ってなんだか悲しい雰囲気ですよね。
そういう雰囲気が伝わればいいなぁと思ってますが、どうでしょう?
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