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392 机の中の白、窓際のスナイパー
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◆ ◆ ◆
席替えのタイミングで、教室の重苦しい空気が変わった。
まず、鶴見の席が教室の隅に追いやられた。
誰も気にしない、気にならない、壁際の最後尾へ。
一方の俺はクジ引きでその列の真ん中を引き当てた。どこに座ったって居場所の無さに変わりはないが、常に窓が隣にある。
息苦しさを外の世界でまぎらわせるのは嬉しかった。
健太は昼休みになると教室から出ていくようになった。
自分の弁当をいじり倒す三人組を連れ、食堂に行っているらしい。
にぎやかなあいつらがいなくなり、残っているのはクラスでも比較的静かなやつらばかりになった。こそこそと話をするものの、大声では笑わない。他人の邪魔をしない。干渉もしない。自分のなかに自分の世界を持っているやつら。
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