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「ぼく、もっとちゃんと……、しっかりするって約束した……なのにっ、ぜんぜん……なんにもできなかった……」
俺が鶴見の部屋から帰ろうとした日、こいつは泣きわめいて“ちゃんといい子になる”と言った。
場の勢いみたいな約束だったのに、律儀に守っているなんて──。
本当にバカだ、こいつは。
いまにも離れてしまいそうな体を抱き直してやると、ふわふわと弾んだ髪がまた鼻先にすれた。くすぐったい。干したての布団みたいにあたたかい。
こいつを抱きしめていると、守られているような気持ちになるのはなぜだろう。この感覚、あの夜も感じた──。
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