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僕と待ち合わせ。
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「ねぇ、真白って携帯持ってる?」
突然霧咲君はそんな質問をしてくる。
「....一応....持ってますよ.....。」
僕は携帯は持っているが、
使用する頻度が極端に少ない。
「.....でも...母さんしか話せる人がいなかったから...
.....あんまり使わないんだ......。」
「ははは! そうだと思った。」
今、霧咲君に馬鹿にされた気がする。
「じゃぁ、俺と連絡先交換しよ!」
初めてそんな事を言われた。
「...いいですよ.....。
....でも...僕と連絡先を交換して...どうするんですか....?」
「ん? なんでって、そうした方が楽だからだよ!」
ますます意味が分からない。
「.....どういうこと.....ですか..?」
「俺、真白と一緒に学校へ行きたいんだ!」
え?
「だから、連絡先知ってる方がいいでしょ?」
「えっ..ちょっ ..一緒に学校に行くって..なんでですか..?」
霧咲君は毎回話がどこかぶっとんでいる。
「俺がそう思ったからさ!
それに、1人で学校に行くより、楽しいじゃん!」
そんなの理由にならない。
それに、僕と一緒にいると、彼まで目立ってしまう。
「...でも...僕と一緒にいたら...
....君まで変な目で......見られてしまう......。」
「今更でしょ。 それより、早く携帯出して〜!」
僕の心配は軽々と流されてしまった。
こうなったら、彼のいう通りにした方がいいのだろうか。
「うわぁ〜今時ガラケーなんて珍しいね!」
僕が携帯を取り出すと、
霧咲君は驚いたような声をあげる。
「じゃぁ俺から真白に電話かけるから、
履歴から登録してね。」
霧咲君は、説明しながらも
スピーディーに話を進めて行く。
「はい! これで登録完了!」
彼のなすがままになっていたら、
いつのまにか、連絡先の交換は終わっていた。
「それで、待ち合わせ場所はどこにしようか。」
待ち合わせか。
この前までの僕には聞き馴染みの無い言葉だ。
「真白は学校までいつもどうやって来てるの?」
「....えっと..◯◯駅から乗って......◻︎◻︎駅で乗り換えて.....
学校の最寄りの駅で...降ります。」
僕はつっかえながらも伝えていく。
「じゃぁ、◻︎◻︎駅で待ち合わせしよ!
俺もそこで乗り換えなんだ。」
「....はい.........。」
約束してしまった。
絶対に寝坊しないようにしなきゃ。
霧咲君と別れ、帰宅する。
僕は自分の部屋へ向かい、ベッドに寝転がる。
「.....友達.........か..。」
僕はつい言葉に出してしまう。
霧咲君と一緒に登校することが決まったからか、
学校へ行くことが少し楽しみに感じる。
今までこんな気持ちを感じたことはなかったのに。
また僕は、霧咲君に変えられてしまった。
明後日は月曜日。
楽しみだな。
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