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年間雨の降らない日は10日程しかないと言われる雨が降る街『スコールシティ 』天気予報は雨が降る振らないという問題ではなくどれだけ雨が降るかと雨が降ること大前提の街。主に観光が栄え、建物も雨に強い作りとして有名である。そんな平和な街にも平和を守るための設備があるわけで軍の駐屯地だって少し外れに静かに息を潜めている。そんな静かな駐屯地でも色々な人が出入りする。今日は政府軍総長が来るようで少々慌ただしい。
「今日はカミス総長がこちらにお出ましか…こんな雨の街に何のようだかね」
「さあな、俺らがサボってねえかの監視じゃね?」
「けど話によると羽休めの息抜きって話もあるぜ」
軍の総長が来るということで様々な憶測が立ち、またカミスという人物がどういった見た目や強さといった話が噂が次々とたっていった。
「けどよお、これでも軍の端くれだって言うのに総長の顔を知らないのも不思議だよな」
「確かに...まあけど今日頑張れば見れるんだろうよ」
「やっぱ総長だもんなおっかないんだろうなあ」
憶測はあくまでも憶測で、今すれ違った150cmにも満たない獣頭亜種の男が総長なんて誰も思わないらしい。
揃えず伸ばした茶色い髪から覗く白い獣耳、ふわふわのまつ毛に青眼、小さな鼻と口。幾分しまった体は辛うじて超軽量スーツから分かるが、背の小さに紛れ腕っ節はあまり期待できる見た目ではない。そんな格好の男が政府軍総長、カミス・ルラーナである。見た目に似合わず圧倒的な強さを持ち、カミスをよく知っているものは容易に話掛けようとも関わろうともしない。
そば付きの男はサフ、和装に黒い長髪を高い位置で結っている。顔つきは整っているものの実験のために黒く変わった皮膚の色が目立ち到底元々の人間身のある見た目ではない。
そんな2人が歩いていれば見れば分かるものだが2人を知らないとなれば軍にはそういった人間は溢れている訳で誰も気に止めなかった。
「ようこそいらっしゃいましたカミス総長にサフ補佐官」
ここスコールシティ駐屯地の地区長は執務室に2人を招き頭を深く下げ歓迎する。
「こんな狭い部屋で申し訳ない、なんせ皆に騒がれては困ると思いまして」
地区長は半笑いで冗談めかしている。
「ああ、確かに...態々気を利かせた」
カミスは至って真面目な顔で冗談に付き合う気は無いと表情を崩さない。
「折角の休日です、雨しか降っていませんがゆっくりしていって下さい…護衛はどうしましょうか」
地区長もカミスの態度に笑いを消し、視察と言う名の休日の際の行動と護衛をつけるかと尋ねた。軍の最高指揮官に何かあってなはらないと気を利かした言葉だったがカミスは不穏な表情を隠さず表す。
「あの...何か不都合でも?」
地区長はカミスの不穏な表情で機嫌を損ねたのだと分かり何か良からぬことがあったかと焦り出す。
「スコールシティ地区長お言葉だが、我々いや私より優秀な軍人が居るのですか?それなら是非お願いしたいうえ本部の移動も考慮しますが」
カミスの怪訝な顔を悟ったサフは代わりに口を開く。
「し、失礼しました…宿の案内をさせます」
地区長は横に用意した女性に2人を案内するように伝え、女性が2人を連れ部屋から出ていくと地区長は大きなため息を着いた。
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