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Aschenputtel:灰かぶり
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シンデレラの足は、成長期に満足のいく環境でなかったために常人よりやや小さい。それこそ、僕の親指を切り落として丁度良くなるほどに。
すると母が僕にそっとナイフを渡した。もし僕が姫の元へ行けばシンデレラを奪われることはなくなる。愚かな僕はそう信じて疑わず、自分の親指を切り落とした。
痛みに耐えなんとか靴に足を入れる。そうして、馬車に乗り込んだものの、鳥達のせいでそのずさんな計画は失敗に終わった。
僕は従者によって乱暴に屋敷の中に投げ入れられると、急いで足の応急処置をする。兄はかかとが大きいからと、靴を履くことを辞退した。
お母様はもうここには子供はいないと言ったが、そこにシンデレラがもう片方の靴を持って現れてしまった。
おしまいだ。全部おしまいだ。僕は歩けなくなり、シンデレラまで失う。どんなに言い聞かせたって、やっぱりシンデレラを奪われるのは我慢できない。馬車に乗り込むシンデレラに僕は大声で謝罪した。
「ごめんなさい!!ごめんなさい!!!嘘ついてごめんなさい!!やっぱり、僕シンデレラのことが好きだよ!!!そりゃ、姫様と結婚すればシンデレラは幸せになれる。でも!!それでも…僕のわがままだったとしても、やっぱりシンデレラの隣にいたいんだ!!!」
言い終わる頃、シンデレラは馬車から降りて僕のところへやってきた。そしてもうどうにもならない僕の左足を見て僕の頬を強く叩いた。
「馬鹿ですね…最後の最後にこんな…貴方は馬鹿ですよ……」
僕を抱きしめ泣きながら馬鹿だと口にする。けれど僕の耳にはそれが好きだと聞こえた。嬉しくて、嬉しさのあまり足の痛みなんかどこかへ行ってしまった。
するとそこへ豪華な馬車がやってきて、その中から姫が現れた。
「その方ですか?貴方の愛する方とは。」
「はい…すいません、やはり僕は彼と一緒にいたいのです。」
二人のやり取りについて行けずひたすら呆けた顔になる。すると姫様はじっと僕の顔を見つめ、かと思えば僕の顔を扇で突いたりしてきた。
「私よりこんな人を選ぶんですか。…まぁ、仕方ありませんね。御機嫌よう。」
何がしたかったのか激しくきになるけれど姫を乗せた馬車は遠くへ消えていった。そして、その後を追うように従者一行も馬に乗って行ってしまった。
「そういう訳で、姫様程のお方のお言葉を蹴って兄様を選んだのですから、責任取ってくださいね。」
にっこりと笑うシンデレラが未だ嘗てないほど恐ろしく見える。助けを求めて後ろを向けば怒り狂った形相のお母様が僕を冷たく見下ろしていた。
「どういう事…?」
今にも爆発しそうなお母様を気を利かせた兄が回収する。2人きりになってしまった空間で僕はシンデレラを見つめた。
「あの、…本当に良かったの?僕なんかと一緒で…」
「はい。兄様が良いんです。馬鹿で愚鈍で考えなしでこんなことまでしてしまう兄様ですけど…」
そう言ってシンデレラは今はもうなくなってしまった親指の付け根に唇を落とす。
「貴方じゃないとダメなんです。」
ぶわりと涙が溢れ出ししがみつくようにシンデレラに抱きついて号泣する。シンデレラはやれやれ、と言いつつも満更でもなさそうに僕を抱きしめてくれた。
「兄様を選んで良かったってもっと思えるように頑張って下さいね?」
「うん!!頑張る、頑張るよ!!!」
その後、国王の怒りに触れた僕たちは国から追い出されかけたけれど、姫さまのおかげで何とか助かった。しかし、お母様はお父様の毒殺やその他の悪事が明るみに出て、処刑される事になった。兄さんはと言えば、隣国の公爵家に婿養子として入り、今は幸せに暮らしている。
そして、僕とシンデレラは残った屋敷を僕たちが来る前のように綺麗に飾り付け、2人でいつまでも幸せに暮らしました…。
おしまい?
暗い地下牢が新しい僕の家だった。
シンデレラは僕の叫びも虚しく馬車に乗って姫のものになってしまった。やがて僕たち一家は過去にシンデレラにしてきた事がバレ処刑される事に。今はもうこの世のどこにもお母様と兄さんはいない。僕が生かされている理由はシンデレラの情けというか、復讐というか。
城についてすぐ、僕は目を潰された。そのまま冷たい鎖に手足を拘束され、ジメジメとした地下で一生を終えるのだと言われた。
カツン、カツン…
あぁ、誰かが降りてきた。この足音は………シンデレラ?
「やぁ、元気?」
今日はいつもよりも機嫌が悪いみたいだ。声のトーンが少し違う。
となれば、今からされることは一つ。
「僕は今凄く気分が悪いんだ。」
鞭打ちだ。
パシンッと鋭い音と共に僕の体に肉を裂くような痛みが走る。僕が悲鳴をあげるとシンデレラは嬉しそうにその鞭をぶつけてきた。
「ふざけんなっての!!何で未来の国王になる僕があんな奴らの機嫌取らなきゃ何ねーんだよ!!逆だろ普通!!」
何に対しての怒りかは分からないけど相当ストレスの溜まることがあったのだろう。僕はただその時が終わるまでこうしているしかない。
「ねえ、兄様は僕のこと愛してる?」
不意に耳元でそう囁かれる。
「僕はねー」
馬鹿な僕は期待してしまう。分かっているさ、彼にどうとも思われていないことくらい。それでも、…
「愛しているよ。」
「…ぇ?」
不意に唇に柔らかいものが押し当てられる。すると頭上からシンデレラの声が降ってきた。
「ねぇ、愛してるならさ、舐めて?」
あぁ、このための言葉か。僕は言われるままに舐める。次第にそれは熱を帯び硬くなりビクビク震えるたびに僕の顔に強く当たる。
やがて慣らされていない僕の秘所に無理やりねじ込まれ痛みに喘ぐがそんなこと彼には関係ない。
そんな中で、もしあの時シンデレラに僕の気持ちが届いていればと妄想せずにはいられない。
僕はシンデレラに殺されるまで、暗い地下室であの妄想を夢に見ながら彼のオモチャとして可愛がられ続けた。
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