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冒頭にも言ったが、俺、大御門千梨(おおみかど せんり)には普通の人には見えないものが見えている。家は陰陽師の家系だ。…ここまで言うと、大抵の人間は(あ、ただの拗らせた奴か)と察した様な顔をするのだが、何を隠そうすべて真実だ。真実はいつもひとつ。
…確かに、見えないものを理解しろというのも難しいだろう。俺がその立場だったら完全に信じない。しかし、実際に見えてしまっている。オワタ。
俺が何かを見ている、という事を確信した両親は直ぐに家の当主である祖父にその事を告げた。
祖父は、いわゆる霊力という物が物凄く強い人間だったのだが、運が良いのか悪いのか、両親は何も見えていなかった。孫である俺が強く血を継いでしまったらしい。神様の悪戯である。いや悪魔の罠だわ。まじでいらねえ。
しかし、見えてしまっているのは俺だけではなく、俺の兄もであった。おかげで、祖父が引退した後も、家を継がずに済んだ。そこだけは救いだ。
…ここまでの話が何故俺の全寮制男子校に来た話に繋がるのかと言うと、また長くなるのだが。
***
一年前
「…千梨(せんり)、西京学園で調べてきて欲しい事があるんだ」
「……は?」
さいきょうがくえん?と、顔が疑問で溢れていたのだろう。兄が苦笑いをした。
「西京学園。…此処は全寮制男子校でね。確かに、千梨をそんな所に行かせるのは俺としても本意じゃない。千梨は可愛いし天使だ。だからそうだ、変装でもしてもらおうかな」
「待て。前提からしておかしいぜ兄さん。何で、その…西京学園?俺、行きたいとこ普通に他にあるんだけど」
しかも全寮制男子校って。どんな青春を過ごさせようとしてるんだこの兄は。高校生活という貴重な時間を男子校で過ごせって、もうそれは西京学園ではなく最凶学園である。うまいな俺。
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