アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
普、大好きだよ(司)
-
____________ろ
________きろ
「起きろ!」
「うあ゛っ」
俺は土籠センセイの声で目を覚ました。めっちゃびっくりした。
目が覚めたら視界にはまず、白い天井が見えた。
俺はベッドに寝ていた。
右を見たら少し黄色っぽいカーテンがあった。左を見たら土籠センセイが見えた。ここは病院だろう。
どうやら俺は普が救急車で運ばれたと聞いて、ショックでぶっ倒れたらしい。
あっ、そうだ。普…
普が救急車で運ばれたんだ…
「普は…?普…普どこ…?普…」
「柚木は…えっと…」
「教えて!普は?」
「右のカーテン挟んでいるけどよ…顔はよく見れな…」
土籠センセイが言い終わる前に俺はカーテンを勢いよくジャッッと開けた。カーテンを開ければ普に会える!!
「ぇ…」
俺は声を漏らした。
カーテンの先には、頭と左目を包帯でぐるぐる巻にされた普が力なくベッドに寝ていた。血が滲んでいた。
「………ぁ、ま…ね……?」
名前を呼んでも起きない。俺は普の左胸辺りに頭をくっ付けて、普の心臓の音を確認した。
ドク…ドク…ドク…ドク…
心臓は鳴ってた。知識は無いからこれが正常かなんて知らないけれど、多分大丈夫。朝繋いだ手と同じだったから。普が生きていて安心した。だけど、普は起きたら頭が凄く痛いんじゃないか…?普は誰のせいでこんな事に??
まるで検討がつかない。普は起きたら絶対頭が凄く痛いだろう。
「土籠センセ…」
「……」
俺は黙っている土籠センセイに腹を立てて、センセイの胸ぐらを掴んだ。ほとんど力は入らなかったけど。
「黙ってないでよ!!俺のあまねはなんでこうなったの!!なんで!!なんで!!」
「わからない…」
「…痛いんだよ。普は…あまねは…あまね…うっ…」
「…お前も倒れた身なんだから無理すんなよ」
俺は泣き出してしまった。悲しかった。淋しかった。あまねをこんな痛い目に遭わせたクソ野郎をぶっ殺したかった。
暫くしても俺はのベッドに座って泣いていた。土籠センセイは俺と反対側にある丸椅子に座って俺と普の事をただ見ていた。
すると、俺の髪の毛がくしゃ、と誰かに優しく撫でられた。その手は誰より大好きな普の手だった。顔を上げると、右目だけで俺に微笑んでくれてる。
「あまね…!起きた…!普ぇ……!!」
俺は思わず普に抱き着いた。
手を振り合って別々の教室に入ってからはきっと数時間しか経ってないんだろうけど、なんか、凄く久々に生きてる普の目を見た気がした。普は優しく俺の頭を撫でてくれた。
「ご、めんね、司……いっ…」
「あ、痛いよね、喋んないで!俺は、普が俺の近くにいてくれれば良いから…」
「ありがと…」
あぁ、やっぱり痛そうだ。
可哀想……
…………
でも、そんな弱った普が可愛い、と感じてしまう自分がいる。
だけどやっぱり、痛いのは辛いだろうな…
「傷、早く治ると良いネ」
俺がそう言うと、普はまた、ニコってしてくれた。
普、大好きだよ…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
5 / 16