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久々の学校(普)
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俺は次の日、少し怖かったけれど、学校へ行く事にした。
土籠先生が、無理だったら保健室に来ても良いと言ってくれたし。
「普、無理しちゃダメだよ?」
司は、俺の事を凄く心配してくれた。でも、これ以上司に心配はかけたくない。
「…わかってるよ、司。」
俺は精一杯つくり笑いをして答えた。目を逸らしてしまったし、ぎこちなかったと思うけど。
俺達はいつもの学生鞄を提げて、玄関の戸を開けて外に出た。
昨日の事もあってか、俺たちは道中気まずかった。
司はちらちら俺の方を見てたけど、俺は司に嘘を吐いてしまった罪悪感から、司の方を見られなかった。
俺は保健室に、司は教室に行くので、俺たちは昇降口で別れようとした。
だけど、何故か俺は意図せず司の制服の端を掴んでいた。
「…え?」
「…っな、なんでも、ない…ごめん…」
自分でも顔が赤くなってしまっているのが分かった。
すぐに手をぱっと離した。
泣きたい…
すると、俺が心の奥で望んでいた言葉が聞こえてきた。
「…怖いの?一緒に行ってあげる」
司は優しく笑ってくれた。
あぁ、好き。
でも伝えられない。男同士だし、兄弟だし…
「…ありがとう…」
それだけ言って、俺たちは職員玄関の方に向かった。
その時司は俺の手を握ってくれた。
少し安心できた。
やっぱり大好き。司。
職員玄関に入ると、早くも土籠先生がいた。
「土籠センセ、待ち伏せてたの…?」
「まあな。どうせ朝から来るだろうと思ってよ。速く来い。見られたかねェだろ。」
「うん…ありがと、土籠センセ」
俺と司は保健室に行くために土籠先生について行った。
保健室に着いて戸を閉めるなり、すぐに土籠先生に質問された。
「誰がやったんだ?」
出た。土籠先生はいつも俺に怪我させた奴が誰なのか聞いてくる。
言いたくない。言ったってどうせもっといじめられるだけだ。もっと悲しくなるだけだ。
俺は黙っている事にした。
しばらく黙って突っ立っていると、土籠先生は「はぁ…」と溜息を吐いて、少し奥の方へ行った。「司はちょっとそこで待ってろ」と土籠先生は言った。司は珍しく何も言わずに従った。
壁で影になっている場所に来るなり、土籠先生は言った。
「柚木。お前頭以外にも怪我してないか?」
いや、そりゃあもう数え切れないほど。
とは言わないでおいた。
「してない」
「どれ、見せてみろ。」
「い゛っ…!」
土籠先生に腕を掴まれた。
最近切ってるから痛かった。
「ハァ…また痛てぇの隠しやがって…」
「痛く…ない…」
「手当てしてやるから腕出せ。」
先生は俺の制服の袖をまくろうとしてきた。俺はその手を全力で阻止した。
「やだ…!」
だって司がもうそこにいたんだもん。
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