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おそろい(司)
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俺は土籠先生に「お前は元気なんだから教室行けば良いんじゃねェの」と言われたけど、普が心配だから保健室にいると駄々を捏ねた。そしたら土籠先生は折れた。やったぁ!
「じゃあ俺は行くから。ここで大人しくしてろよ。」
「え、センセイどこ行くの。」
「まァ俺も仕事があるんだ。多分2時間くらいかかる。」
そう言い残して土籠センセイは保健室の戸をガララ、といわせて出ていった。
これはつまり…
保健室という空間で普と二人きりになったということだ。
大好きな普と…
布団がある。
こりゃ普も寝たいかな。遊べないか。
と思い、横を見ると、普は後ろを向いて寝ていた。
…速っ!
俺もなんか疲れたな…
と思い、俺も寝ようと布団に潜ろうとした時。
「…ぇ」
普が寝返りをうつと、制服の袖が布団に擦れて少し捲れていて、そこから見えるのはいつもの白い綺麗な手首だと思っていた。
だけどそこには赤黒い無数の線が横向きに痛々しく刻まれていた。
俺は普のそれと自分の左手首とを見比べた。
俺のはあそこまで酷くない。
「あまね…辛い…?」
俺の口からは勝手にその言葉が滑り落ちていた。
あ、まずい。
きっとバレたくはないだろう。
そういえば昨日はお風呂後で良いよって言われて1人で入ったんだ。俺が布団に入ってからお風呂入ってたな普。
そんな事を考えていたら、普の泣きそうな声が聞こえた。
「_________いよ…司…____」
けど、何言ってるか分かんなかった。
掠れてたし廊下でバタバタ走ってる生徒の足音もあったからあんまり聞こえなかった。
寝言だしそんなに気にする事はないか。
何より普のリスカ跡を見てしまった事が今ここでバレなくて良かった。
______________________________おそろい…
心の中で思った。
え?
今俺何て思った…?
おそろいって…
リスカしてるの同じでおそろいとか…え?
頭ではこんな考えはおかしいと分かりつつも、俺は、普の傷が綺麗なものに見えてしまった。もっと傷つけてしまいたいという考えさえ頭を過ぎった。
ここから俺がだんだんおかしくなってしまう事を、俺も普もまだ知らない。
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