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進歩と苦悩
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入院して一か月
日に日に 体を動かせるようになってきたが 未だ寝返りができない
悔しくて涙を流した時もあったが、雅哉さんが慰めてくれた
その優しさにまた惚れてしまう
字を書くときは、自分で体を支えられないから、雅哉さんがいるときに練習した
文字はガクガクしているが初めの頃よりはきれいに書くことが出来るようになった
ノートもいつの間にか5冊 使い切っていた
食事の時も今までスプーンとフォークを使っていたが箸も使えるように努力した
でもどうしてもできないことがあった
トイレに行くこと
お風呂に入ること
着替えること
今の生活ではこの3つが出来なかった
これからもできないことは出てくると思う
トイレは看護師に手伝ってもらった
後は
着替えは、朝と夜に雅哉さんが来てくれてその時に済ませる
お風呂も雅哉さんに入れてもらう
お風呂は、井野原先生の考えで雅哉さんがやることに決まったらしい
退院後の事を考えて慣れてもらおうという考えらしい
退院した後、毎日このようなことを全て雅哉さんにやってもらうと思うと胸が苦しくなった
雅哉さんに相談しようと思ってもなかなか言い出せずにいた
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