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彼と仲良くなりたい。
新しく人と関わるとき、僕はいつも受け身にまわる。自分から話しかけにいくのは恥ずかしいし、拒絶されたらと思うと息が上手くできなくなる。こんな僕は好きじゃない。
でも、知ってる。仲良くなるには自分から話題をふるしかないと。
まずは挨拶からだ。
とりあえず僕は毎朝彼に「おはよう」と言うことを決めた。丁度席につこうとしていた彼に、挨拶をしてみた。
「おはよう、まこにゃん」
「...っ、はよ....」
少しびっくりした様子だったが、返してくれた。嬉しい。
だが、そこから会話は続かない。...気まずい。
「2人ともおはよ〜」
「っはよーー!なんやて、2人してぼーっとすわって!テンション低いなぁ!!」
それは、教室に入ってきたみぃちゃんとあきくんだった。救世主があらわれた。心の中でほっと息をつく。
「お前らがテンション高いんやん」
ふっと笑みをうかべながらまこにゃんが言う。...笑った。それを見た瞬間に、胃の上の方がきゅっとなって息がしづらくなった。変な感覚。違和感を感じながらも、僕も挨拶をした。
「2人ともおはよ。たしかに、もう少し静かに入ってこれへんの?」
「お前ら2人してひどくない?!明るく生きろよ!!」
けらけらと笑う3人を見て僕も笑顔になる。
その日からだろうか、僕らはいわゆる「いつメン」になった。
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