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はじめまして、よろしく5(響也視点)
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部屋から出て行ったあとものの数分で帰ってきた千鳥。
少し離れている椅子に腰掛けたのが視界に入った。
…取り敢えず礼はしなきゃな。
そう思い口を開いた。
「お前、俺を助けてくれたことには感謝してる。そんで、礼がしたいんだ。」
そう言って千鳥を見ると、ポカンと呆気にとられた顔をしている。
他の物騒なことを言われると思ってたのだろうと想像はつく、そのことに1つ微笑をこぼす。
「んで、礼は何がいい?」
千鳥はすぐにニコリと笑って考え始めた。
「それじゃあ……」
「…本当にそれでいいのか?」
何を考えているのかわかんないな…
ピリリリリリ ピリリリリリ
もう一度確認しようと思うがどこかから電話の音がした。
「はい、柊。なんだ」
電話の内容は生存確認と迎えの話だった。
さすがにここに迎えに来てもらうことは出来ないだろうと、さっきまで居た繁華街を指定する。
「本当に大丈夫なんすよね? 大丈夫じゃないとか笑えないっすよ?」
音量を考えずに喋ってくるのは側近の冴岐絢斗。
少し騒がしいが、何かと頼りになる。
「あぁ、大丈夫だ。迎え10分後に来いよ。」
そう言って電話を切る。
時間も指定して千鳥に帰ることを示唆する。
「道、分かりますか?」
千鳥にはしっかり伝わっていたようで、そう問われた。
そういえば、と返事をする。
「いや、すまないが教えてもらえるか」
迷ったら元も子もないと頼み込むと、千鳥はクスリと笑って準備をし始めた。
「ある程度の道を教えてくれたら勝手に行くから、お前は外出なくていいと思うんだが。」
「クスクス…そんなこと言わないで、これも何かの縁ですし。案内しっかりしますよ~。」
そう言って準備を終えると、早く早くと言うように手招きをする千鳥。
これは諦めてくれなさそうだとゆっくり腰をあげる。
多少痛むが歩くぶんには回復しただろう。
「回復力高いですねぇ。」
そう言って少し先を歩く千鳥。
その姿が暗闇によく映えていて少し見惚れてしまった。
繁華街に近づくと辺りが明るくなっていく。
「ここで大丈夫だ。ここまでしてもらって悪いな。」
「クスクス… いいえ。楽しかったですから。」
もう少し話をしていたいとも思ったが、時間も時間なので早く帰るように促す。
「それじゃあ、また今度。」
「あぁ、約束は守る。またな。」
そして千鳥とは別れた。
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