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早乙女伊澄という男 6
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さっきからずっっっと歩いてるのに、全っ前人に会えない。
「何でだー?そろそろ人に会ってもいいと思うけど……………って、今授業中じゃん!!」
そーだよ、授業中に人に会える筈がない。俺、もうただの馬鹿じゃん。何やってんだ俺。さっきまでのやる気が全部どっかに飛んでいったみたいに、全身の力が抜けた。
「あー疲れた……もっと足痛いたくなったし、休みたい…」
壁に持たれかけて、ズルズルとしゃがみ込んで天井を見上げた。
「ん?んん??」
天井を見上げた拍子に、俺が持たれかかっている壁に何か書いてあるプレートが付いている。
プレートが気になって立ち上がると、『図書室』と書いてあった。
「…………こんな所に図書室なんてあるの!?しかも妙に扉が豪華だし、お金持ちの学校ってこんなものなのか?」
妙に豪華な扉の先が気になって、静かに扉を開ける。
「うわ…………広っ」
扉を開けてたぶん10秒くらい固まった。
前に、母の公演がカナダであった時1度見に行ったことがある『カナダ議会図書館』みたいな綺麗な図書室だ。(知らない人は是非調べてみてね)
綺麗なのはもちろん、広いし、本の数は見ただけじゃよく分からない。螺旋階段が2つあって如何にもゴージャスって感じだ。
「凄い………学校にこんな所があるなんて……」
なぜか視界がぼやける。
「え、嘘、泣いてる……?」
自分の目元に指先を当てて確認する。指先を離して、涙が指先を濡らすのが確認出来た。少し驚いたが何だか笑えてくる。
「ふふっ」
そのまま近くにあった椅子に座る。
やっと座れた………まだ足首痛い…
「そりゃそーか……手当してないもんなぁ」
机の上で、腕を組んでそこに頭を乗せる。
「あー……眠い」
寝不足と歩きすぎのせいか凄く眠たい。
やば………このまま寝そう………
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