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6.話し合い2
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あまり有力な情報を得られないままいづみは談話室に戻った。
「ただいま戻りました〜。待たせてしまってすみません!」
「...時間を潰していたから大丈夫だ。」
そう。かれこれ1時間半程いづみは206号室にいた。その間左京達を待たせてしまっていたのだ。だが、そろそろお昼時ということで、臣は昼食の準備をしていたし、左京は暇を持て余し臣の手伝いをしていた様だ。2人ともキッチンで洗い物をしている最中だった。
心なしか2人の頬が少し赤らんでいるように見えた。それに2人とも少し距離を置いていてぎこちない。
「あれ?左京さん達なにかありました??」
「...いや。特に...」
「何もないぞ〜。さてさて、昼食の準備も出来たことだし、監督みんなを呼んできてくれ」
「...?はいわかりました」
明らかに2人の様子がおかしいと思いつつ、いづみは劇団員達を呼びに行った。
左京と臣に何があったのかはまた別の話...。
「あ!そういえば、臣くん」
「なんだ?」
「咲也くん達はどうする?」
「あぁ。とりあえず呼んできてくれ。密さんの分も合わせて持って行ってもらうことにするよ」
「わかりました」
今日は日曜日なので、殆どの劇団員が揃っている。
そして日曜は花学組が密を看病している。密の看病は毎日交代で劇団員達がやっている。平日は大人組で、休日は学生組がしている。休日は土曜日がO高組で日曜日は花学組が看病している。フラ中は人数が足りない時のアシスト係だ。
劇団員達で看病の順番を決めたらしい。監督は一切手を出ていない。ちゃんと順番を決めないと誉や臣や監督が付きっきりで看病するだろうと考えて、皆で決めたらしい。
決めたのに関わらず、皆密の事をとても心配していて、看病の順番じゃなくてもちょくちょく様子を伺いに来る。
土日看病の学生組は暇なのか、わざと予定を空けているのかわからないが、1日ずっと205号室にこもりっきりで看病している。
左京に風邪伝染るから交代でやれと言われるが、本人達は大丈夫だと言って聞かない。
特に学生組は誰かが風邪をひいたりすると、平日看病できない分、休日は本当に付きっきりなのだ。
部屋にいて、定期的に熱を測ったり、氷枕を変えたり、額の濡れタオルを変えたり...。する事は至ってシンプルでそんなに手間を取らない。だから一人でも充分なのに、そこは絶対に譲らない。
病人の様子を見つつ、各々病人の部屋で勉強をしたり、ゲームしたり、読書したりうるさくならない程度に過ごしている。もちろんご飯も病人と一緒に食べる。
公演を重ねる事に劇団全体の絆がどんどん深まっていく。だから、皆自分のことのように心配するし、悲しむし、喜ぶ。いわば家族みたいなものだ。
本人達はまだその絆に気づいていないが...。
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