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授業が終わると、智樹はバスケ部に出る。部活に入らなければいけないという決まりはないが、中学のころからバスケに打ち込んでいたため高校でも続けたいと言っていた。蓮はやりたいことがなかった。それに、自分の意思で何かを決める前に、父親の言動を伺ってしまう。ただ、なるべく家には遅く帰りたかった。遅く帰れば、父親は晩酌後早々に寝てしまっている事が多かったからだ。そのため授業終わりは学校の図書館に行って本を読むか勉強をする。学校の図書館は20時までしか開いてないため、閉館後は21時半まで開いている駅近くの公立図書館に行く。公立図書館は、近隣の高校に通う高校生がちらほらと勉強していたが、蓮と同じ中学だった生徒は見当たらなかった。そのため安心して通うことができていた。
いつものように20時をすぎて公立図書館に向かうと、いつものように同じ席に座る。本を読むか勉強をするかと言ったが、実のところ本を開きながらボーッとしていることが多かった。家での壮絶な体験は、蓮の心の中で処理しきれずにいた。ボーッとしているが、その目は虚ろで、放心状態とも見える。心の痛みを抑圧し続けた結果、糸が切れたようにこの時間を過ごす。最初のころは行為がない時間もパニック状態で、震えが止まらず、嘔吐を繰り返していた。しかし、自分の心を無視すると、少し楽になった。楽になる方法を探し続けてやっと見つけたのが、この時間だったのだ。いつもは誰にも邪魔されない。蓮だけの特別な時間だった。しかし、今日は違った。
「おい。」
小さいけれど良く通る声で呼びかけられる。完全に逃避していた蓮はハッと現実に戻り、声の主を見る。端正な顔立ちをした、同い年くらいの男がじっと蓮を見つめる。
「おまえ、本読んでないだろう。」
責めるような口調で言われ、その発言の意図がよく分からぬまま蓮は謝った。本を読んでいないが、うるさくもしていない。周りには数人しかいなくて、席も空いている。何が悪いのだろうと思ったが、言えるわけがなく、「ごめんなさい。」と謝るしかできなかった。読んでもない形だけの本を本棚に戻し、慌てて図書館を出た。男は、見覚えのある高校の制服を着ていた。県内でも有数の進学校だ。この図書館では見かけたことはなかったが、蓮は同じ中学の人がいないことだけを確認し、他の人にはあまり目を向けていなかったため、自分が見ていないだけかもと思った。
「気をつけよう。」
独り言で、心を落ち着かせる。責められるような口調や態度、表情は蓮にとって恐怖だった。なぜ本を読んでいないことを見抜いたのか、そしてなぜわざわざそのことを注意してきたのか、その意図は全く分からぬまま、蓮は時間を潰すことだけを考えた。
遅い時間にブラブラしていても補導されるだけだ。結局、21時になる前に家の玄関の前に立った。窓ガラスは明るく、電気がついていることが分かる。足がガクガク震えたが、ゴクリと唾を飲み込むと、ドアノブを引いた。中に入ると、脱衣所から出てきた父親と鉢合わせる。
「遅かったな。昨日は酷くしすぎたからな。今日は優しくしてやろうと思って起きてたんだ。」
風呂上がりの父親を前にして、声が出ない。ただ、目の前が真っ暗になるような感覚がして、立っていられなくなる。
「おら、立て。ボーッとしてんじゃねぇ。」
制服の首根っこを捕まれ、引きずられて自室のある二階へ上がる。いつもするときは自室だった。
「ご、ごめ、なさ、…は、はっ」
訳も分からず謝り、短い息を吐きながら涙を溢れされる。怖くてたまらない。何年もされている行為は慣れることを知らず、恐怖で身体が強張って動かなくなる。
「今日はこれを用意したんだ。おまえも好きだろう?」
興奮剤の入ったボトルを見せられ、後ずさりながらぶんぶんと首を横に振ると頬を殴られる。
「い、いゃ、っ…」
弱々しく抵抗するも、端から見たら抵抗には見えず、ただ腕で顔を隠しているように見えた。この液体を使われると、自分が自分ではなくなる。自己嫌悪に苛まれて、消えたくなってしまう。
「こら、逃げるなよ。」
蓮の腰を掴み元の位置に戻すと、制服の上下と下着を脱がせ、下半身を中心に液体をかける。
「ぁあっ、あ、ひぃ…っあーっ」
後ろの孔にも指を入れられ塗りこまれる。圧迫感と異物感に慣れることはできずに、声が出てしまう。液体のせいか段々と異物感は快感に変わり、身体をビクつかせる。どのくらい時間が経っただろうか。
「おら、今何本指入ってるか分かるか?」
分からなくて、ただ混乱している蓮は首を横に振るが、答えない罰を与えるかのように、指の抜き差しを激しくする。
「やあぁーっ、さ、さ、さんぼ、…んっ」
必死に答えると、父親はニヤリと笑った。
「2本だよ。おまえ、3本入れて欲しかったのか?お望み通り入れてやるよ。」
「ちがっ、あ、やぁぁっ、あー、あぁ、ひゃ、めっ」
消えたい、今すぐこの場から消えたいと思った。そんな蓮の願いは叶わず、孔にペニスをあてがわれる。この感触にはいつまで経っても慣れることができず、息を止めて衝撃に備えるが身体は細かく痙攣し、眼球もうつろに揺れている。ググッと押し込むように入ってきて、吐き気に襲われる。顔を横に背けて嗚咽するが、夕飯を食べていないため何も出ない。涙だけが溢れる中、父親は激しく挿入を繰り返した。
「ゆるいな、締めろ。」
そう言って蓮の首を締める。ぐぅっと喉が鳴り、息ができなくなる。頭に血が上り、視界が白く染まる。死ぬのかも、と思った途端、手を離され勢いよく咳き込んだ。
「おまえ、勃ってるぞ。見てみろ。変態だな。」
父親の言う通り、蓮のペニスは勃っていた。首を絞められても、こんな状況でも自分は反応してしまうのかと絶望に陥った。薬剤を使われ、死に値するような恐怖の中で、それは生理的な反応だったが、蓮は自分を責めた。ボロボロと涙が止まらず、痙攣を繰り返す。やめて欲しい、この願望が叶えられたことは一度もない。蓮の意思を無視したこの行為は、4年前から続いている。最初は性行為だとも知らず、ただただ父親の言動と、身体に起こる痛みや違和感への恐怖が蓮を支配していた。学校の授業でその行為が本来どういうものなのかを知ったときには、家に帰ってきてから泣いた。父親が連れてきた男たちは泣いている蓮を笑いながら犯した。
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