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氷室襲来1
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僕はいま、すごく不機嫌です。
なぜかというと、火神くんの義兄弟とかいう氷室辰也という男と火神くんがなにかを話しているからです。
「黒ちん、はい」
「どうもです紫原くん」
もぐもぐ。
大体、なんであんなに親しそうなんですか。
「黒ちん、あーん」
「あーん」
もぐもぐ。
んっ! 肩組みまひたへ!?
「黒ちん、これも」
「あ、はい」
もぐもぐっ!?
あんなに近づいてなにしてふんへふ!?
「黒ちん、ほれ」
「あむ」
もぐもぐ。
もぐ、なんはむかふきまふもぐね。
「黒ちん、もっと」
「はむ」
あ、甘いですねこれ。
「美味しいですねこれ」
「だよね」
っては!
いけないいけない。
目を離した隙になにが起こるか……ってがぁああああああああ!?
「なにしてるんですか火神くん!!」
なんで同じペットボトルで飲み物飲んでるんですかっ!
関節キスですよそれは!!
「黒ちん、これも」
「ぱく」
ん、酸っぱい。
「新作ですか」
「うん。まいう棒梅干し味」
「また斬新ですね」
「うん。俺結構好き」
前からですがいい味出しますね、斬新なのに美味しいのですから。
「他にはなにがあるんですか?」
「ん? えっとね、バニラ味とか辛子味噌とかいろいろ。でも最近一番は昼ドラ味」
「なんですかそれ」
「なんかね、甘しょっぱいのにドロドロしてるの」
「なるほど、昼ドラ味ですね」
「でも美味しいよ」
「そうなんですか?」
「食べたとき、え、マジで? って自分の舌を疑ったよ」
「でしょうね」
「いやおかしいだろそれ!!」
そう突っ込んで来たのは僕の愛しの火神くん。
「黒子? なんか顔が変だぞ?」
「どこがですか?」
いつも通り君にぞっこんですよ?
「なんか顔が赤い?」
「風邪でも引いたのかな?」
おのれイケボめ。
氷室くんを睨むと、なぜか視界がクラクラしました。
「あ、れ……?」
そして僕はそのまま、意識を失いました。
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