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二度は言わない【BF】
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「すき」
なんて、恥ずかしくて、言えない。
ホントは、素直に言いたいけど、
素直になんて、なれない。
「カーエールー」
・・・・今日も、人の部屋をノックもせずに入り込んでくるウザったい非常識堕王子が来た。
「・・・はー・・・ノックぐらいしてくださいよー・・・」
「ああ、1人でヤってるとこなんか見られたくないもんな?」
「いい加減その万年発情思考直してくださいー」
いつもの調子で「しししっ」と独特の笑みをこぼす自称・王子のベルセンパイ。
悪態つきつつも、いつも一緒にすごすこの時間が好きだ。
「なぁーカエル。ヤろーぜ」
「嫌ですー」
「・・・ケチ」
他愛も無い会話だけど、暗殺部隊とは思えないようなこんな時間が好き。
ベルセンパイと、いわゆる『恋仲』になって、付き合いだして約1ヶ月。
それから任務の無い日以外毎日、こうやって一緒にミーの部屋で過ごしている。
別に行為をするわけでなく、ただなんとなく、一緒に。
「・・・フラン」
いつもより低いテノール音で名前を囁かれる。
こういうときは・・・「キスしたい」って合図。
ベルセンパイがミーの頭に載っている大きいカエルの被り物を頭から外すと、ゆっくりとミーの翡翠色の髪を撫でる。
優しい手つきで、優しい声で、
そんな風にされると、妙に落ち着かない気分になって。
好きだなぁ、と思ってしまう。
・・・もっとも、そんなことを口に出したりはしませんけどー・・・。
髪を撫でていたベルセンパイの手が、ミーのあごに添えられる。
・・・・キス、される。
そう思った瞬間、一瞬視線が重なったように思えて、思わず頬を染める。
そんなミーの反応を知ってか知らずか、センパイの顔が近づき、ゆっくりと唇が触れる。
「ん・・・・」
宝物を包み込むような優しいキスに、酔いしれる。
なんだかこんなに優しいのも久しぶりじゃないか、とも思った。
今日は、妙なくらい優しい。
融けてしまいそうなくらい、熱い。
チュ、と軽いリップ音を出して唇が離れると、
「なぁ・・・王子のこと・・・好き?」
と、優しい声でベルセンパイが尋ねてくる。
いつも、素直になれないけど、
今日は・・・雰囲気に流されてあげますー・・・。
「好き・・・です。ベルセンパイ・・・」
「・・・え?」
素直に言ったミーにベルセンパイは驚いている。
「え・・・待て、ちょ、もう一回言え」
信じられないと言うようにもう一回というベルセンパイ。
「・・・・もう言いませんー」
思ったより恥ずかしいですよ、これ。
・・・だから、もう、
二度は言わない
(聞き逃した、あなたが悪い。)
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