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聖なる夜に【BF】
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「・・・あ、雪」
窓の外を見て、ミーは呟いた。
12月25日。
世の中はクリスマス一色でも、ミーたちヴァリアーには関係のないことだった。
恋人同士で過ごすクリスマスも、ミーたちには限りなく不可能だとわかっていた。
・・・だけど、それでも少しは期待していた。
ベルセンパイと、過ごすクリスマスを。
だけど、やっぱり生憎にもミーは留守番、センパイは任務というクリスマスもクソもない状態。
期待なんて、するだけ無駄だった。
「・・・・・・・・・寒い」
窓の外で静かに降り積もる雪を眺めながら、ミーが想うのはやっぱりあのしょうもないセンパイのことで。
寒がってないかな、とか
任務ちゃんと成功したかな、とか
センパイに限って失敗なんてないか・・・とか
こんなときにまで、
・・・あ、好きだな、とか
普段素直に言えない事が、心の中で溢れ返ってくる。
別に、裏社会に生きてるんだし、“素敵なクリスマス”なんて考えてないけど・・・・ただ、
「・・・会いたい・・・ですー・・・」
あの人に。
会いたい、ただ、それだけ。
窓に触れている手が、冷たくて悴んでいく。
「・・・・・・・き・・・・」
小さく呟いた言葉は、きっと誰にも聞こえてない。
いい年して、サンタなんて今更信じてないけど、もし・・・ミーがクリスマスプレゼントをもらえるなら・・・
「――――・・・・・・っ!!」
ふわりと後ろから抱き締められた。
触れた手が冷たい。
少し息切れしてるところを見ると、急いで帰ってきたんでしょうかー・・・。
「・・・・・・・・・ただいま、フラン」
耳元に、愛しい人の声が響く。
「・・・・・おかえりなさい・・・センパイ」
聖なる夜に
(欲しかったものは、ちゃんと手に入った)
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