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「ルイスト王子の魔法のセンスはスゴイよな、この前も水を器用に扱って綺麗な虹が出来ていたよ。」
「ああ、本当第1・第2王子を差し置いて王に一目置かれているだけあるよ。」
少し離れた場所で僕の事を話す会話が聞こえる。
ハスティリア王国の第3王子で時期国王候補。それが僕の肩書だ。
僕の魔法の授業を仕事の傍ら見ていた兵士達が言っている事も本当で、僕は何故か王候補の中でも兄王子を差し置いて有力とされている。
でも・・・
「でもあれだよな。実践で役に立たないと意味がない。」
小声になった兵士達の声が僕の心に突き刺さる。
「まあ、第1王子は病弱だし、双子の第2王子は魔力が少ないからな。
剣術の腕のある第2王子に魔力があればなあ・・・」
「やめろ。聞こえるぞ。」
コソコソと話さなくても分かっている。
第2王子であるディオルトと僕は双子。
ディオルトは剣術の腕も無く弱虫な僕とは違ってかっこいい。
僕はディオルトが王になれば良いと思っている。
生まれた時から一緒に育ったディオルト。
最近までは一緒の部屋で過ごし一緒に授業を受けていた。
しかし、僕に沢山の魔力があることや、ディオルトの魔力が極端に少ないことが分かってきた頃から徐々に距離が空いてきた。
何時も隣に居た存在がぽっかり空いた気持ちになんとなく寂しさを覚える。
「ルイスト王子~」
隣から聞こえる僕を呼ぶ声に下がった気持ちを切り替え、笑顔で声の方を振り返る。
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