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素直になんてなれなくて
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素直になれれば
こんな想いしなくてすんだのに。
「何でオレ…あんなこと言ったんだろ」
フランの部屋を出た後少し、柄にもなく廊下で自己嫌悪に浸っていた。
「…つーかよ…」
なんであのカエルはあんなに冷めてんだ?
何を言ってもポーカーフェイス。
反応もクソもねぇし。
…オレ、やっぱ何とも思われてねーのかな。
正直に言うと、オレはフランが好きだ。
まあアイツはマーモンのこととかで色々誤解してるみたいだけど…。
カエルを被せているのだって、まあ最初はマーモンの後任だから、って理由だったけど、今は単純にカワイイからだし。
飴玉なんて小細工使ってキスしたのだって、何でもいいからアイツにオレを見てほしかったからで。
…だから、マーモンとか関係ない。
オレはフランが好き。
…多分、嫌われてはねーと思うし…。
…まあ素直に好きだって言えたらそれが一番いーけど、なかなかそうもいかない。
いっつも、プライドが邪魔する。
心の中でなら、フランのことが好きだって言えるのに、いざ本人の前に出ると、
・・・・なんか、オレから言うのって、悔しい。
負けてるみてーだし。
・・・・ホントはわかってるんだけど、な。
あいつを前にすると、声が出ない。
言葉が詰まる。
・・・ヘタレみてぇ。
好きだ。
好きだ好きだ好きだ。
でも、黙っていたら届かない。
でも、オレからは言いたくない。
言われたい。
フランに、オレのことが好きだって、言わせてみたい。
だから、
ぜってぇ、オトしてやる。
ホントは、オチてんのはオレだけどな。
その仕草、行動、表情(ってあんま変わんねーか)
全てが、愛しい。
届かないのが、もどかしい。
・・・・くそ、わかれよバカガエル。
好き、だって。
次の日、オレらはボスに呼び出された。
・・・・。
さっきからフランとは黙りっぱなし。
・・・なんだよ、なんか、言えって・・・。
「カスども」
「「!!」」
「任務だ。ターゲットを必ずしとめて来い」
ボスはそれだけ言って資料やその他はスクアーロに任せ、さっさと行ってしまった。
フランと任務、このタイミングでかよ・・・。
オレの脳裏にふと、一つの考えが浮かんだ。
もし、この任務の間に、伝えたらどうなる?
もし…伝えたら、フランはどう反応するだろう。
『えー、オトすとか言って結局センパイがミーのこと好きなんじゃないですかー』
…ありえるな。
そんなの、すっげームカつく。
決めた。
ぜってぇオレからは言わない。
あくまでもアイツから言わせてやる。
―――
最悪、ですー。
まさかこんな時にベルセンパイと任務だなんてー…。
ダメ、ですよー。
ミーはセンパイのことなんて好きじゃないんですから…多分。
ドキドキする、とかそんな乙女的思考ありえないですー。
「フラン」
ボスの部屋から出た後、そのままさっさと立ち去ろうとしたミーをベルセンパイが呼び止める。
…だけどミーは嫌な予感がして無視して行こうとしたら、ベルセンパイはナイフを投げつけてミーを強引に止めた。
「てめー無視してんじゃねーよっ!!」
「…何ですかー。用があるならさっさと言ってくださいー」
「生意気ー。…まあいいや。お前さ、任務にあの飴持って来いよ」
「!…わかり、ましたー…」
ミーがそう返事すると、センパイは満足そうに自分の部屋へと向かって歩いて行った。
…本当は、
あの飴は無くなっている。
…でも、
ああ言われちゃ、しょうがないですよねー…。
新しいの、買っておこう。
素直になんてなれなくて
(絶対言わせてやる)
(ミーはまだ認めてませんからー)
…素直になれる方法教えてください。
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