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夢を、見ていた。
とても幸せで、覚めたくないと願う夢
けれどいつか覚めてしまう夢。
永遠がないその世界に、僕は恋焦がれてしまった。
それは突然の事で、いつものように働いて、ご飯をつまらないテレビでも見ながら食べて、寝る前に軽く漫画を読む。
小さなころから親が漫画をよく買ってきていたので、必然的に親と同じマンガオタク、というか僕の場合はアニメオタクになった。
その日は、いつの頃か有名になっていた、初期からずっと応援していた漫画を読んでいた、ある少年が、ヒーローになる話。
少年はヒーローになりたいと言っていた、だけど、僕の中ではもう、貴方はヒーローだった。
その少年の一言一言に励まされ、今まで生きていたと言ってもいい、それほど尊敬して、そして届かない恋だと知っていながらも、恋焦がれてしまった。
いつも憧れのヒーローのように笑う、平面の彼はいつも輝いて見え、アニメが放送すると聞いた時は心臓が止まるかと思ったんだ。
あの、愛してやまない彼が画面の中で動き、喋り、ニコリと笑っている、それだけで胸がいっぱいになって、心が満たされていくのを感じていた。
それからというもの、何回も読み返していたにもかかわらず、日課のようにそのマンガを読み進めている、何度読んでも変わらぬ面白さ、何度聴いても心を揺らす言葉。
傷つきながらも、成長して、デクと呼ばれた彼はきっと、最高のヒーローになるのだろう。
もし、この願いが届くのなら、きっと何でもするだろう、命だって差し出そう、少しの間だけでも、あの空間に存在できるのならば。
そんな届かない願いを祈りながら重たい瞼をゆっくり閉じた。
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